WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

[2015年第46週]エリクソンとシスコが提携、MVNOサービス幅広く、iPad Pro発売

2015.11.18

Updated by Naohisa Iwamoto on November 18, 2015, 13:06 pm JST

国内ではMVNOが各種のサービスに乗り出しているといったニュースが流れてくる中、海外から大きな提携のニュースが飛び込んできた。スウェーデンのエリクソン(Ericsson)と米シスコシステムズ(Cisco Systems:以下、シスコ)が提携契約を結んだことを米国時間9日に明らかにしたのだ。両社は今後、営業面の協力から将来の技術・製品開発まで、多岐に渡る分野で協力を進めることになるという(関連記事:エリクソンとシスコが提携 - 通信機器分野の業界再編がさらに加速)。ノキアとアルカテル・ルーセントの合併に続き、通信関連ではグローバルで合従連衡が進んでいる。

法人、海外渡航者、M2M--MVNOなどから多様なサービス

国内のこの1週間のニュースを振り返ってみる。まずMVNO関連から。日本通信は、法人向けの格安SIM「b-mobile 5GBプリペイドSIMシリーズ」を発売する。月間5GBが可能で、「5GB×1ヶ月(30日)パッケージ」(3650円)、「5GB×6ヶ月(180日)パッケージ」(1万8700円)、「5GB×12ヶ月(360日)パッケージ」(3万1800円)の3種類を用意する。プロジェクトや予算に合わせた利用が可能だ(報道発表資料:日本通信、法人向け格安SIM、プリペイドで新発売)。

渡航先で手軽に使えるSIMの提供が始まる。Planetway Corporation(日本法人はPlanetway Japan)が提供する、プリペイド型のグローバルSIMカード「TAKT」がそれだ。世界約200カ国に対応して海外渡航時に低料金で通話、通信環境を整えられる。料金は、アメリカの場合で通話料が発信1分ごとに51円、着信は無料。データ通信料は1MB当たり49円。TAKTは11月20日から予約受付を開始し、ヨドバシカメラ店舗およびヨドバシ・ドット・コムで12月初旬から販売を始める(関連記事:世界約200カ国で使えるプリペイド型SIMカード「TAKT」、Planetwayが提供開始)。

M2M向けの新しいMVNOサービスの発表もあった。モバイル・プランニングは、M2Mサービス提供に向けたMVNOサービス「アキバモバイル」(AKIBA-Mobile)を開始すると発表した。サービスは月額280円からという低料金で提供する。AKIBA-Mobileの当初の利用形態としては、ドライブレコーダーの販売などを手掛けるドライブ・カメラが提供する通信機能搭載ドライブレコーダー「SAMLY」に対して通信サービスを提供する(関連記事:月額280円からのM2M向けMVNO、モバイル・プランニングが提供開始)。

220Mbps対応のUQルーター、「dポイント」始動へ

国内キャリアのニュースを見ていこう。UQコミュニケーションズは、下り最大220Mbpsの高速モバイル通信が可能なモバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT WX02」(NECプラットフォームズ製)を発売する。「WX02」は、4×4MIMO技術により下り最大220Mbpsの高速モバイル通信を実現するWiMAX 2+と最新のWi-Fi規格IEEE802.11acに対応する。薄くてどこでもフィットする、スタイリッシュなラウンドフォルムを採用。オプションの専用クレードルを使うとホームルーターとしても利用できる(報道発表資料:下り最大220Mbps対応の新Wi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT WX02」登場! WiMAX 2+ 4×4MIMO&IEEE802.11ac対応の高速モバイルWi-Fiルーター)。

NTTドコモは、現行の「ドコモポイント」に代わる新しいポイントサービス「dポイント」を12月1日に提供開始すると発表した。リアル店舗でも利用できるようにするほか、専用カード「dポイントカード」を発行するなどして、利便性も高める。

11_00-1

また、日本マクドナルドと業務提携に合意したことも明らかにした(関連記事:ドコモ、リアル店舗でも使える「dポイント」を開始、マクドナルドと業務提携)。

またNTTドコモは、災害対策の一層の強化も発表している。主なポイントは、「大ゾーン基地局のLTE対応」と「中ゾーン基地局の全国展開」である。大ゾーン基地局を2016年度末までにLTE化することで、災害時の通信容量を確保する。また大ゾーン基地局ではカバーすることが難しい沿岸部や山間部の通信確保を目的に、2017年度末までに全国1200局以上の中ゾーン基地局を整備する(関連記事:ドコモ、大ゾーン基地局のLTE対応など、災害対策を強化)。

ソフトバンクグループのWireless City Planning(WPC)は、同社が提供するAXGP方式の通信サービスに対応した屋外設置型端末を開発したと発表した。「WiMO-LTO100」と呼ぶ端末で、韓国のモダ情報通信と共同開発したもの。WiMO-LTO100は、IP67の防塵防水性能を備えるほか、風速70m/秒の強風にも耐えられる暴風設計を施した(関連記事:Wireless City PlanningがAXGPの屋外型端末を開発、公共サービスなどに適用)。

iPad Proを3キャリアが発売、iOS版Firefox公開

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、560万ピクセルの12.9インチRetinaディスプレイを搭載した大型のiPad「iPad Pro」を発売した。NTTドコモとKDDIは、「iPad Pro Wi-Fi + Cellularモデル」を提供、ソフトバンクは「iPad Pro Wi-Fi + Cellularモデル」と「iPad Pro Wi-Fiモデル」の双方を提供する(報道発表資料:NTTドコモ、iPad Proを提供KDDIがiPad Proを発売SoftBank、「iPad Pro」を発売

iPhoneユーザーが待ちに待ったiOS版Firefoxがいよいよ日本に向けてリリースされた。FirefoxはAndroid版が以前からリリースされており、iPhone向けも一部の国で公開されていたが、日本向けの正式なリリースは今回が初めてとなる。

WWN_firefox01

バージョンは1.1で、対応は iOSは8.2以上から。iPhoneはもちろん、iPad、iPod touchでも使え、iPhone5でもスムースに操作できる(関連記事:iPhoneユーザー待望のiOS版Firefoxアプリ日本語版がいよいよ登場!)。

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。