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星薬科大学、産学連携で薬剤師等への機能性食品等学習ポータルサイトを提供へ

2015.12.08

Updated by Hitoshi Sato on December 8, 2015, 18:40 pm JST

星薬科大学と木村情報技術は2015年12月3日、「機能性食品等に関わる学習カリキュラム及びコンテンツ開発」に関する共同研究契約を締結した。薬剤師、登録販売者、栄養士等が健康食品等の成分データを効果的、効率的に学習することのできるカリキュラム及びe-Learningに対応可能なコンテンツの開発を進める。

2015年4月には「機能性表示食品」制度が開始されるなど、近年消費者の機能性食品等を活用したセルフケア全般に対する関心は高まっている。それに伴いブームの中で誤った情報や評判に左右されかえって健康を害してしまうような事例も発生しており、適切な情報提供が課題となっている。消費者の身近にいる専門家としては薬剤師や栄養士などが想定されるが、それらの専門家が機能性食品等について適切な成分データや具体的な製品情報を入手する手段がこれまでは整備されておらず、適切な仕組みの構築が求められていた。

本共同研究においては、星薬科大学と主に医療関係者向けのWeb講演会配信サービスやe-Learningに実績のある木村情報技術が連携する。ちなみに星薬科大学は小説家、星新一氏の父である星一氏が設立した大学で、教育理念として「親切第一」を掲げ、永年に渡り薬剤師教育を実施してきた。

両者は産学連携により、薬剤師等が機能性食品等に関する科学的エビデンスを効果的、効率的に学習できるカリキュラムを開発する。また、このカリキュラムに基づいた学習コンテンツの開発と、e-Learningを実施するためのシステム環境の検討・構築を実施する。

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(出典:木村情報技術)

共同研究成果として、2016年夏頃を目途に機能性食品等学習ポータルサイト「セルフメディケーション.com」を開設し、これらの学習コンテンツを公開する予定。

機能性表示食品とは事業者の責任で科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届けられた食品のことなのだが、一般消費者にとっては、その効用を科学的に理解することは難しい。このような産学連携によって、最終的には消費者が安心して食品に接することができるようになることが期待される。

【参照情報】
星薬科大学
薬剤師等へのe-Learning提供により本格的セルフメディケーションの実現へ―星薬科大学と木村情報技術株式会社が共同研究―

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。