アフリカ 子供

アフリカの貧困を助けるソーラー活用

2015.12.28

Updated by Kenji Nobukuni on 12月 28, 2015, 14:54 pm JST

モントリオールの大学生、Salima Visram氏がクラウドファウンディングIndiegogoでの資金調達に成功した「ソウラー・バックパック(the Soular Backpack)」は、アフリカなど電力網が不十分な場所の子供たち向けのバックパック。登下校の長い道のり、背面に付した太陽光パネルで発電した電気を貯め、夜間にLED照明の電源に使う。3、4時間の充電で8時間、照明を使うことができるという。

価格は20ドルとのことで、それほど高額に感じないかも知れないが、アフリカ各地の子供たちにとっては手が出しにくい価格帯になってしまうため、Visram氏はユニセフやケニヤ政府などとの連携を模索しているそうだ。もちろん、アフリカ以外の地域でも使えるから、ソウラー・バックアップをアメリカなどで(高めの価格で)販売し、先進国で1個売れたら、ケニヤなどの子供たちに1個贈呈するというモデルも計画されている。

多くの家庭が照明を灯油ランプに頼っている地域では、灯油価格が家計を圧迫しており、子供たちが夜、勉強することが難しくなっている上、炎とともに出るガスや煤は健康にも悪影響がある。太陽光が灯油の代わりになれば、学習の時間を確保できるだけでなく、灯油代を子供の学費に充てられるようになる可能性もある。Solar(ソーラー)ではなくSoular(ソウラー)という造語で綴っているのは、Soul(魂)を込めた製品ということなのだろう。

ナイジェリアでは、コールドハブ(ColdHubs)というソーラー冷蔵庫が開発されている。電力が不十分な地域では、農作物を冷蔵することが難しいため、せっかく収穫した作物をダメにしてしまう。出荷前に傷んでしまえば、農家の収入が減ることになり、インフラ整備に充てる資金が獲得できないことになってしまう。

コールドハブは、屋根に並べたソーラー・パネルで24時間、農作物を冷蔵収納可能なウォークイン・ストレージ。ファーマーズ・マーケットなど、人々が集まる場所に設置する。定型のプラスティック製の箱に入れておき、売れるまでの間、保管できる。農家は定額制の料金(1日約60円)を負担する必要があるが、これまでは傷んで売れなくなっていた農作物を販売することができるようになる。

【参照情報】
IndiegogoのSoular Backpackのページ
Transforming Lives In Kenya With Solar-Powered Backpacks
Salima Visram: As she grows, so grow the people around her
ColdHubs
Solar powered refrigerators for outdoor markets could save big in developing countries

WirelessWire Weekly

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

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