訪日外国人向け公衆無線Wi-Fi利用手続きをアプリで一元化 実証実験を総務省などが開始

2016.02.22

Updated by Asako Itagaki on 2月 22, 2016, 11:19 am JST

総務省は、「訪日外国人に対する無料公衆無線LANサービスの利用開始手続の簡素化・一元化に係る取組方針」を発表した。利用手続き開始の共通仕様を策定することで、訪日外国人が一度の利用開始手続きにより通信事業者や公共団体などが提供する複数の無料Wi-Fiサービスを全国で利用できる環境構築を目指す。

「無料公衆Wi-Fiの利用のしにくさ」は、外国人観光客の日本における不満や困り事として上位に挙げられることが多い。ここ数年で地方公共団体やホテル、商店街など観光関連事業者によるWi-Fiアクセスポイントの整備は進んでいるが、利用開始手続きや認証が共通化されておらず、移動するたびに煩雑な手続きが必要なのが現状だ。

この状況を改善するために、多くの地方公共団体や経済団体から国によるイニシアティブへの期待が寄せられており、政府としても、「日本再興戦略 改訂2015」において「事業者の垣根を越えた認証手続の簡素化により、全国 20 万規模のスポットに一度の登録でサインインできる仕組みの構築」を掲げている。

総務省が発表した方針では、共通技術仕様を策定し、通信事業者や地方公共団体、観光関係者等がWi-Fiサービス利用開始手続の簡素化・一元化を希望する場合に採用が比較的容易な方式の普及を図る。また、技術仕様の有用性を検証する実証実験を行うと共に、取り組みの周知・広報を全国的に行う。

2月22日に開始を予定する実証実験では、WebAPI方式による共通認証方式を開発し、実証実験に参画する自治体間で無線LANネットワーク運用事業者間の垣根を越えて接続が可能か実地検証を行う。具体的には、一般社団法人ゲートウェイ・アップ・ジャパンが提供する「OMOTENASHI App」経由での接続を行う。既存のSSIDを使用し、WebAPIの接続手順の中で本人確認を行える仕組みを実装する。

▼実証実験の概要と将来像(総務省発表資料より)
20160222-freewifi01

▼WebAPI方式による接続(総務省発表資料より)
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KDDIの子会社であるワイヤ・ワンド・ワイヤレスは、同社が提供する自治体Free Wi-Fiエリアのうち、実験に参画する函館市、仙台市、名古屋市、京都府、京都市、神戸市で、OMOTENASHI App経由での接続に対応する。また、ソフトバンクは、3月1日から臨海副都心(お台場地区)エリアで実証実験用のSSID「OMOTENASHI_S」を設置し、自社利用者以外へのサービス提供や他事業者が運用する無線LANネットワークにおける自社利用者の利用開始登録、ネットワーク接続などに関して検証を行う。

また、実証実験では、駐日外国公館や自治体などが無線LAN経由での情報配信を行えるシステム構築に必要な仕様項目の検討・整理およびバス等に取り付けた車載ルーターと街頭の店舗や公共施設などの公衆Wi-Fiの連携実験も併せて行う。

【報道発表資料】
「利用しやすく安全な公衆無線LAN環境の実現に向けて ~訪日外国人に対する無料公衆無線LANサービスの利用開始手続の 簡素化・一元化の実現等に向けた取組方針~」の公表(総務省)
総務省における無料公衆無線 LAN の利用手続き等の 簡素化・一元化に関わる実証実験への協力について(ワイヤ・アンド・ワイヤレス)
無料公衆無線LANサービスの利用手続きの簡素化および 一元化などに関する実証実験への参加について(ソフトバンク)
OMOTENASHI App(ゲートウェイ・アップ・ジャパン)

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。