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LINE、タイでオンデマンド・デリバリーサービス「LINE MAN」提供開始

2016.06.13

Updated by Hitoshi Sato on 6月 13, 2016, 14:31 pm JST

LINEは2016年5月16日、タイでオンデマンド型アシスタントアプリ「LINE MAN」の提供を開始した。

「LINE MAN」は24時間いつでも日常生活をサポートしてくれるアプリで、LINE IDからログインして、荷物の配送やフードデリバリーなど、日常生活においてちょっとした手伝いやサポートが欲しいときに気軽に活用できるのが特徴。2016年4月21日からタイでGoogle PlayにてLINE MANベータ版を提供してきたが、iOSとAndroid の提供開始に伴い、以下3つのサービスを提供開始した。

1.「配送サービス」
2.「フードデリバリー」
3.「コンビニ商品お届け」

オンデマンド・デリバリーサービス、物流分野でタイ最大手「Lalamove」と提携し、バンコクを中心としたタイのユーザーにサービスを提供していく。「フードデリバリーサービス」では、レストランポータルのタイ最大手「Wongnai」と提携しており、バンコク周辺地区1万店舗以上で注文が可能。「Wongnai」はタイでたしかに人気があるが、最近では競合の「eatigo」の方が勢いがある。

レストランは、距離や人気度で分類されたお勧めリストから選択できるほか、レストラン名を入力して検索することができる。ユーザーから注文が入ると「LINE MAN」がレストランに最も近いドライバーを調べ、ドライバーは速やかに事前購入をして商品を届ける。デリバリー料金は距離を基に計算され、追加料金はかからない。デリバリーはLINE MANアプリとLINEプッシュ通知で全てのサービスをリアルタイムに追跡することが可能で、料金はサービス提供完了後に直接LINE MANに現金で支払えばよい。なおフードデリバリーサービスは、レストランの営業時間により24時間利用できない場合もある。

LINEはタイ人のリアルな生活に密着したインフラになれるか?

日本ではメッセージアプリといえばLINEであるが、LINEは全世界で2億人以上のアクティブユーザー数がいる。そして日本以外でLINEの人気があるのは、台湾、タイ、インドネシアだ。だが、先日もお伝えしたように、最近ではFacebook傘下のメッセンジャーが世界規模で拡大しており、メッセンジャーの利用者は全世界で10億人以上いる。Facebook自体は全世界で玄関16億人以上が利用しているSNSだ。その影響か、タイでも以前はLINEを利用していたタイ人らもメッセンジャーを利用(切り替える)する人が増加している。

タイでは「LINE MAN」が登場する前から、デリバリーはよく利用されている。交通渋滞がひどいバンコクでは、バイク便での配達が一般的で、多くの店がデリバリーを提供している。町の屋台でも頼まれればバイクでちょっと配達をして、代金を払うことはよくある風景だ。食べ物だけでなく日用品であってもデリバリーしてもらうことは一般的である。

LINEではタイでは2016年4月には交通マネー「Rabbit」と提携を行って、2016年Q3でのサービス提供を予定している。そして今回は「LINE MAN」という、いわゆる「O2Oサービス」(この言葉自体、もはや死語だがLINEのリリースには出ていたので、あえて使う)の提供によって、リアルな生活に密着したサービス提供を行おうとしており、タイ人の生活インフラになろうとしている。

多くのタイ人がメッセージアプリではLINEからFacebookのメッセンジャーに移行しているが、それでもまだタイではメッセージアプリとしてのLINEの知名度はある。メッセージアプリとしてのLINEをタイ人が利用しなくなったとしても、デリバリーや交通マネーなどタイ人の生活インフラに入り込むことにLINEの存在感を出すことができるし、新たな収益源にもつながるだろう。また「LINE MAN」のようにLINE IDと紐付かせることによって、メッセージアプリの方の利用も再活性化が期待される。

▼このような屋台でも頼めばバイクでデリバリーしてくれる。
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▼交通渋滞の激しいバンコクでは、バイクタクシーは市民の生活の足だ。
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▼バイクタクシーだけでなく、ちょっとしたバイト感覚でデリバリーを手伝う人も多い。
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▼食べ物だけでなく日用品もデリバリーしてくれる。
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【参照情報】
LINE、24時間いつでも日常生活をサポート オンライン型アシスタントアプリ「LINE MAN」をタイにて提供開始
Wongnai

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。