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医療

Googleのヘルスケア・ハブ

2016.06.22

Updated by Kenji Nobukuni on June 22, 2016, 16:09 pm JST

Google傘下のVerily社(旧称Google Life Science)は昨年、コンタクトレンズ型の血糖値測定器で一躍名を馳せたが(なお、このプロジェクトはその後頓挫した)、少し大きめのガジェットも作っている。

「コネクティビティ・ブリッジ(Connectivity Bridge)」と呼ばれるその装置は、水中メガネのような、あるいは風呂場の石鹸置きのような形で、家庭や医療機関に設置し、種々のセンサーから無線で集められる患者のデータをクラウドにアップロードするハブの役割を果たす(なお、コネクティビティ・ブリッジは、データ通信ハブと同時に、スタディー・キットのデバイスの充電装置も兼ねている)。

このハブ装置に、スタディー・キットというデバイスとアプリ一式を使い、例えばボストンのBrigham and Women's病院で多発性硬化症研究のためのデータ収集、分析が行われている。

Googleは心拍や皮膚温度を測ることのできるリストバンドなど一般向けメディカル機器(健康管理機器)も発表しているが、コネクティビティ・ブリッジは明確に健康ではなく医療にフォーカスしている。

データの送受信は、Wi-Fi経由ではなく3Gで直接セルラー網を使うため、FCCにも昨年、認証の申請を行っている。その意味で、先行するクアルコム・ライフ社の2netハブや、テレフォニカのスマートm2mソリューションに近い利用形態が想定されているようだ。Wi-Fiの普及には目覚ましいものがあるが、カバレッジという点ではセルラーに軍配があがることは言うまでもない。

IEEEはすでにIEEE802.15.6でいわゆるボディ・エリア・ネットワーク(BAN)の標準化を進めており、医療機器やセンサーと、ハブ装置の間の通信規約もできている。エリクソンやアップル、マイクロソフトなど、今やヘルスケア分野への関心を露骨に示していないビッグネームを探す方が難しいような状況になっており、覇権争いが繰り広げられている。

【参照情報】
Google offshoot Verily reveals connectivity device to aggregate medical data
Verily joins the scrum of companies developing ways to collect, transmit medical data without WiFi
Google's Verily developing med data connectivity hub

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来