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ベイスターズの始球式をVRで(写真提供:Galaxy)

[2016年第26週]ベイスターズの始球式をVRで、IoT導入を容易にするソリューション

2016.06.29

Updated by Naohisa Iwamoto on June 29, 2016, 11:32 am JST

IoTソリューション提供の話題、スマートフォンなどを活用したサービス、MVNOの施策など、多様なニュースがあった一週間だった。そうした中で、新技術の今後の適用の仕方を占う面白いトピックがあった。プロ野球でVR(仮想現実)を使ったイベントを実施したというものだ。

▼Gear VRを装着して始球式を前に選手から投球のアドバイスを受けるファン(写真提供:Galaxy)
Gear VRを装着して始球式を前に選手から投球のアドバイスを受けるファン(写真提供:Galaxy)

これはサムスン電子ジャパンが、横浜DeNAベイスターズのホームゲーム(対読売ジャイアンツ戦)を「Galaxy Day」と銘打って協賛したもの。スタジアムのコンコースに360度映像をVRゴーグルの「Galaxy Gear VR」で体験できるブースなどの常設サービスに加えて、Galaxy S7 edgeを使って金魚すくいを体験できるサービスなどを提供した。さらに、プロ野球初となる「VR始球式」を実施。抽選で選ばれたファンが投球前にマウンドでGear VRを装着して、選手から投球のアドバイスを受け、始球式を行った。同時に、スタンドでは約60人がGear VRを装着してマウンド上のファンと同じ360度映像を体験しながら、投球のアドバイスを受けた。エンターテインメントとしてのVR利用の1つの方法であり、また遠隔地や大勢にエキスパートから教育するといった用途の開拓にもつながりそうだ。

ソリューション利用で容易にIoT導入へ

次に、IoTソリューションのニュースを見ていこう。NECは、IoT(Internet of Things)を活用した次世代ものづくりソリューション「NEC Industrial IoT」の一環として、「ものづくり見える化ソリューション」の提供を開始した。NECの工場で行った実証に基づいて生産現場のデータを収集・可視化し、生産性・サプライチェーン全体の流れ・品質の向上を実現する。システム基盤として、多種多様な設備・IoTデバイスとの接続に加え、画像認識などの「AI」、ExpEtherや高信頼無線などの「ネットワーク」、設備から収集する「大量データ処理」、「セキュリティ」などNECの技術を活用する。また「つながる工場」を具現化するエッジコンピューティングソリューションも今後順次販売する。IoTを活用する同ソリューションで、現場で発生する問題への対応スピードと改善サイクルを短縮できるという(報道発表資料:NEC、IoTを活用して次世代の生産革新を実現する「ものづくり見える化ソリューション」を発売)。

マイクロサーバーの開発製造などを手掛けるぷらっとホームと、配電盤など電路整備の製造販売を行う日東工業は、屋外型のIoTシステムを構築しやすくする屋外ボックスソリューション「屋外IoT・監視システムボックス」を共同開発した。

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屋外IoT・監視システムボックスは、IoTソリューションを都市や道路、公共空間、屋外施設などの屋外環境に展開しやすくするためのもの。日東工業のボックス、電源、熱対策ソリューションと、ぷらっとホームのゲートウエイシステム構築ソリューションを組み合わせて実現した(関連記事:屋外に設置できるIoT用ボックスソリューション、ぷらっとホームと日東工業が開発)。

ATM、道の駅などでスマホが便利に

スマートフォンなどを活用した各種のサービスのトピックを紹介する。セブン銀行とじぶん銀行は、キャッシュカードを使わずにスマートフォンだけで、セブン銀行のATMで入出金取引ができるサービスを2017年春に開始する。新サービスでは、全国に2万2000台以上あるセブン銀行のATMで、スマートフォンだけを使って入出金取引ができるようになる。まずはじぶん銀行の口座を持つ顧客向けに提供する。じぶん銀行の顧客は、既存の銀行取引アプリがあれば、新しくアプリのダウンロードや利用手続きなどをすることなく新サービスを利用できる。iPhone、Androidに対応し、ほぼすべてのスマートフォンで利用可能という。また、ICカード利用時と同水準の高いセキュリティレベルで取引が可能としている(関連記事:セブン銀行のATMでスマホを使って入出金可能に、まずじぶん銀行から対応)。

広告配信プラットフォーム(DSP)事業を展開するマーベリックは、ワイヤレスゲート、XSと共同で、「道の駅」に設置されたFree Wi-Fi「FON」を利用した位置情報連動型広告サービスを提供する。道の駅の来訪者が、道の駅に設置したFONアクセスポイント「Michiguru Fon」に接続すると、ご当地グルメなど道の駅に関する情報を入手できたり、特産品などの取り寄せページから購入できたりするような、地域密着型の情報を提供できる。マーベリックは、Wi-Fiの位置情報から利用者のリアルタイムな位置情報を活用した広告配信を可能にした(報道発表資料:Free Wi-Fiの位置情報を広告配信に活用 〜Free Wi-Fi「FON」の道の駅設置50箇所突破〜)。

Wi-Fi関連では、NTTコミュニケーションズは、モバイル通信サービス「OCN モバイル ONE」の利用者に向けた無料のWi-Fiサービスである「無料Wi-Fiサービス」を7月1日に正式サービスとして提供するというニュースもあった。これまではトライアルとして提供していた。また、7月15日には、現在4万カ所のスポットを、8万2000カ所へと倍増させ、利便性を高める。スポットの増加は主に西日本エリアで実施され、飲食店・美容院・宿泊施設・図書館などでの利用がしやすくなる(関連記事:OCN モバイル ONE、無料Wi-Fiスポットを8万カ所以上に倍増し正式提供へ)。

SIMフリースマホ、格安SIMが着実に根付く国内市場

調査の話題を2つ紹介する。GfKジャパンは、スマートフォンの販売動向と携帯電話購買行動の調査結果を発表した。2016年1月〜5月で、スマートフォンの販売台数は前年比1%減だった。2月以降、いわゆる「ゼロ円端末」の販売がなくなることで需要の減少が心配されたスマートフォンだが、1〜5月の通期ではほぼ横ばいまで持ち直した。一方、同じ期間のSIMロックフリースマートフォン(SIMフリースマホ)の販売は、家電量販店の販売台数の構成比で7%にまで上昇した(関連記事:1〜5月の端末販売、家電量販店ではSIMフリースマホが7%に上昇--GfKジャパン)。

MMD研究所は、「シニアのスマートフォン、タブレットの所有に関する調査」の結果を公表した。シニアのスマートフォン所有率は38.5%に上るという。2015年6月の調査ではスマートフォンの合計は27.8%で、1年でスマートフォンへ約1割がシフトしていると読み取れる。

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また、格安SIMについて認知度および利用率を調べたところ、「現在利用している」という回答が全体の7.2%を占めた。シニア層でもスマートフォンへのシフトが進み、格安SIMの利用も一定数に上るようになってきていることがわかる調査結果だ(関連記事:シニアも4割弱がスマホ所有、格安SIM利用も7%――MMD研究所)。

サービス拡充で顧客争奪戦が続くMVNO

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、個人向けデータ通信サービス「IIJmio高速モバイル/Dサービス」のサービス仕様を拡充する。1つは、7月1日からライトスタートプランにおける高速通信用のデータ量(バンドルクーポン)を現行の5GBから6GBに増量すること。ライトスタートプランは、データ通信専用SIMの場合に月額1520円の中核プラン。もう1つは、7月7日からミニマムスタートプラン(月額900円から)およびライトスタートプランで、これまで1枚しか発行できなかったSIMカードを、2枚まで追加発行できるようにすることだ(報道発表資料:「IIJmio高速モバイル/Dサービス」のサービス仕様を拡充し、一部プランにおいて高速データ通信量の増量とSIMカードの追加発行に対応)。

UQコミュニケーションズは、新規契約またはMNPで「ぴったりプラン」に加入した顧客を対象に、利用開始月から13カ月間の基本料金を1000円割り引く「イチキュッパ割」を提供する。7月1日に開始する。「ぴったりプラン」は、無料通話や安心・便利アプリなどを含めて月額2980円から利用できる低料金プラン。「イチキュッパ割」の適用により、利用開始月から13カ月は、「ぴったりプラン」の場合は月額1980円、「たっぷりオプション」の場合は月額2980円で利用できる(報道発表資料:UQ mobile「イチキュッパ割」を開始!)。

さらに、UQコミュニケーションズは、新規契約またはMNPで「ぴったりプラン」にご加入した顧客に対して、利用開始月から25カ月間、国内無料通話を2倍にする。「ぴったりプラン」では1200円(最大30分)が2400円(最大60分)に、「たっぷりプラン」では2400円(最大60分)が4800円(最大120分)に、それぞれ増量される。同社では、高速データ通信容量の倍増キャンペーンも実施しており、これらを併せて「W増量」としてアピールする(報道発表資料:UQ mobile「ぴったりプラン」の無料通話を2倍に!)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。