NTT Comと三井化学、AI利用して化学プラントにおけるガス製品の品質予測に成功

2016.09.16

Updated by Asako Itagaki on 9月 16, 2016, 06:26 am JST

NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)と三井化学は、プラントにおけるガス製品製造過程において、ディープラーニングによるモデル化により、収集した原料や炉の状態などのプロセスデータから20分後のガス製品の品質を高精度で予測することに成功した。AIによる生産現場の生産性を向上させるソリューションとなる。

ガス製品プラントに投入する全原料の温度、温度、圧力、流量や反応炉の各種設定値など51種類のプロセスデータと、製造されたガス製品の品質を表す指標値(Xガス濃度)の関係を、化学反応に要する時間も踏まえて事前にAIに学習させ、ガス製品濃度を推定するモデルの生成を行った。その結果、モデルにより算出されたXガス濃度の推定値と、プロセスデータ取得から20分後の実際のXガス濃度の値の平均誤差3%FS以内とすることに成功した。

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これまで化学プラントにおける製品の品質異常検知は、特定プロセスデータの閾値を用いた異常の自動検知や、熟練作業者の目視評価により行われていた。今回開発したAIモデルの発展によりXガス濃度推定値の精度をさらに向上することで、製品品質異常の予知だけでなく、推定値と実測値の誤差を評価することによりセンサーや測定器の異常検知を行って製造機器の故障予防や製造ラインの調整をするなど、化学プラントの安全・安定運転や保全のスマート化に寄与すると考えられる。

三井化学は、プラント設備の信頼性向上や運転効率化を目指し、IoTやビッグデータ(*6)、AIなどを用いた次世代生産技術の活用検討を進めており、引き続き活用可能性を検討していく。またNTT Comは、センサーなどの故障発生時のデータや、他のプラントのデータを用いて技術検証を行い、適用範囲の拡大や精度向上に取り組む。将来的にはIoTとAIを効果的に組み合わせて、NTTグループのAI関連技術「corevo」として開発を進める。

人工知能(AI)を用いて、化学プラントの製造過程で製品の品質予測に成功

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集長。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2013年春、長年住んだ中目黒を離れて、世界一高い電波塔の近所で下町生活を満喫中。

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