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AT&Tは米国時間20日、同社の新たな無線通信関連の取り組み「Project Airgig」を発表した。いわゆるラストマイルの部分をミリ波を使った無線通信でつなぐ試みで来年にも実証実験を開始する見通しだという。

このプロジェクトは、既存の電柱に取り付けた無線通信用アンテナを利用しながら数ギガビット/秒の高速ネット接続を提供するという試みで、AT&Tでは人口密度の低い地域などでの高速ブロードバンド・サービスの展開を視野に入れながら実証実験を行う考え。

Project Airgigでは、電柱上に設置した無線アンテナをつないでネットワークを構成し、それぞれのアンテナから周囲のエリアにミリ波を使った無線通信サービスを提供する。データの送受信には電力線自体は使わない。このアプローチでは、送電線網という既存のインフラが利用できるため、光ファイバー網を整備するのに比べて簡単かつ低コストなネットワークの展開が可能になる。またプラスチック製アンテナを採用することでハードウェア・コストを抑えたり、利用する周波数帯もライセンスを取得する必要のない帯域とすることで、サービス提供全体にかかるコストを引き下げることが可能とされている。

Recodeによると、AT&Tは自社施設内でProject Airgigに利用する技術のテストを既に進めており、来年にも実証実験を開始したい考え。ただし、商用展開の時期については早くとも2019年以降(5G技術導入開始後)になる見込みだという。

ミリ波を使った無線通信サービスの試みは、グーグル(Google)やフェイスブック(Facebook)などから既に構想を明らかにされており、フェイスブックでは今年中にサンノゼで実験を開始する予定。またグーグルもGoogle Fiberのラストマイル部分を無線でつなぐアプローチを模索中とされている。

【参照情報】
AT&T Labs’ Project AirGig Nears First Field Trials for Ultra-Fast
Wireless Broadband Over Power Lines
- AT&T
AT&T thinks power lines may yet hold the secret to speedy, low-cost internet - Recode
AT&T Labs' new gigabit Wi-Fi project will piggyback on power lines - The Verge

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