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3G、LTEからWi-Fiまで対応、IoT向け透明なフィルムアンテナをドコモが開発

2016.11.15

Updated by Naohisa Iwamoto on November 15, 2016, 06:33 am JST

IoTデバイスやM2M機器をグローバルに展開するとき、無線機器側の1つの課題がアンテナである。国や地域により、同じ無線方式でも利用できる周波数帯は異なり、各国の周波数によってアンテナを替える必要があった。この課題を解決する薄型フィルム形状のアンテナを、NTTドコモが開発したと発表した。

ドコモはこれまでにも、「M2M/IoT機器向けフィルム型マルチバンドアンテナ」を開発、提供していた。これは、800M~900MHz、1700M~2600MHzの周波数帯のうち、顧客の要望によって特定の周波数帯に対応可能なアンテナだった。今回、これらの周波数帯にすべて対応できる「フィルム型広帯域マルチバンドアンテナ」を開発した。GSM、3G(WCDMA、CDMA2000など)、LTEの主要周波数帯と、Wi-Fiに対応する。

▼薄型、透明な「フィルム型広帯域マルチバンドアンテナ」(NTTドコモのニュースリリースより)20161114_docomo001

これにより、各国の周波数によって替える必要があったアンテナを、新開発のアンテナ1つに集約することが可能になる。IoTやM2Mで海外展開を行う企業にとって、製品の製造コストや調達品管理コストの低減が期待できる。

アンテナは厚さが0.1mmの薄型フィルム形状で、透明な素材を利用している。ドコモでは、M2M/IoT機器を搭載した自動車や建設機械のフロントガラス、自動販売機のアクリル板などに設置しても利用者の視認性を損なわないと説明する。工場、ボイラー、製造機器の管理などを含めて、広くソリューションに利用できるという。

【報道発表資料】
主要国携帯電話の周波数帯に対応可能な「フィルム型広帯域マルチバンドアンテナ」を開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。