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広がるAIの活用、PR効果測定や小説作品分析で

2016.12.22

Updated by Naohisa Iwamoto on December 22, 2016, 06:25 am JST

人工知能(AI)がブームになる中、活用の幅を広げるようなニュースが相次いだ。1つはビルコムが提供する、AIや自然言語処理を用いたクラウド型PR効果測定ツール「PR Analyzer」。もう1つはツギクルによるAIを活用した作品分析サービスの提供だ。いずれも2016年12月21日に発表、同日にサービスを開始した。

PR会社のビルコムが提供する「PR Analyzer」は、広報、パブリシティの効果測定を行うPR効果測定ツール。これまで多くの効果測定は、掲載数と広告換算費によるものだったが、PR AnalyzerではSNSへの波及効果や報道内容の分析など多角的な測定、分析が可能になる。具体的には、テレビとWebの自動クリッピング、自動論調分析を実施する。これにより、クリッピング、媒体別掲載数、広告換算費、重点媒体登録、論調分析、Web記事のSNS波及、内容分類、時系列比較--が自動化されて、ダッシュボードで確認できるようになる。その中で論調分析では、自然言語処理を用いることで掲載された記事の論調を自動的に分析し、AIによって各社の評価パターンを学習する。

PR Analyzerでは、テレビ140局(133テレビ局+BSデジタル放送7局)、新聞1018媒体、雑誌3960媒体、Webメディア約3000サイトを対象にPRの効果測定。さらに、Facebookのシェア数・いいね!数を使ったWeb記事のSNS波及の効果も測定する。クラウド型サービスで、料金は月額10万円から。

ソフトバンクグループでインターネットサービス事業および出版事業を行うツギクルは、同社が運営するWebコンテンツポータル「ツギクル」で、AIを活用した作品分析サービスの正式提供を開始した。ツギクルは、作家などを目指すクリエイターを対象に、Web上での創作活動を支援するサービス。作品ページをツギクルへ登録すると、アクセス数などの人気指標が表示されるほか、次に来るトレンドを分析した商品開発にも役立てることができる。

新しく提供を開始するAI作品分析サービスは、ツギクルに投稿された小説作品をAIで分析して、そのレポートを提供するもの。小説作品に対する総評、カテゴリーとの相性、構成要素、文章の読みやすさ、文章の傾向、文章の構造、相性のよい作品に関する分析などを提供する。AI作品分析サービスは、第一弾としてファンタジー分野の小説を分析する「ファンタージーブレイン」を提供。今後、他の小説ジャンルにも順次対応を拡大する予定だ。

【報道発表資料】
国内初のクラウド型PR効果測定ツール『PR Analyzer』を提供開始(PDF文書)
AIを活用して小説作品の分析ができる WEBサービス「ツギクル」、 本日12月21日より、作品分析サービスの正式提供を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。