Nokia Connected Future

Nokia Connected Future(3)次世代のネットワークアーキテクチャをクラウド/仮想化で実現

2017.01.27

Updated by WirelessWire News編集部 on 1月 27, 2017, 13:32 pm JST Sponsored by NOKIA

ノキアが2016年12月13日に開催したカスタマー向けプライベートイベント「Connected Future」では、ノキアの事業戦略とビジョン、次世代ネットワークに向けた技術についての講演やデモンストレーションが行われた。Connected Futureのレポートの第3回では、クラウドや仮想化の技術がもたらす今後のキャリアネットワークの姿をひもといていこう。

<Nokia Connected Future>
(1)社会が新しいネットワークアーキテクチャを求めている
(2)現実のものになったIoT時代のセキュリティリスクの対策とは
(3)次世代のネットワークアーキテクチャをクラウド/仮想化で実現(本稿)
(4)360度のリアルタイム映像を大勢が視聴するとき「5G」が必要になる

様々な要求にコスト競争力のあるネットワークで対応

ノキアIP/Opticalネットワーク IPルーティング 本部長の鹿志村康生氏は「次世代クラウド/キャリアサービスに向けたネットワークの進化」と題して講演を行った。鹿志村氏は、「今後のネットワークアーキテクチャのブループリント、戦略をお話します」と講演の口火を切った。

ノキアIP/Opticalネットワーク IPルーティング 本部長の鹿志村康生氏

最初に鹿志村氏は、今後の新しいネットワークへの要求事項について説明した。「IoTに代表されるようなこれまでにないような数のデバイスの接続、4K/8K画像に代表される帯域を要求されるサービスへの対応、多様なサービスに対応できるケーパビリティと柔軟性、簡単にオンデマンドでサービスをローンチできるようなコンシューマビリティ――など様々な要求事項が出てきます。こうしたクラウド、IoT、5Gの要求事項に対して、新しいネットワークのアーキテクチャが必要とされているのです」との指摘だ。

新たなネットワークへのデマンド

1つのネットワークで複数のサービスを重畳して提供

今後のネットワークには、市場とビジネスチャンスの変化にいち早く対応できる「柔軟性」と、高い性能を備えた上での「価格競争力」の両方の側面が求められる。柔軟性と価格競争力のバランスを取ってネットワークを構築していくことは大事だという。

「これまでのネットワークアーキテクチャでは、固定系やモバイル系、ビジネスサービスなどで多くのネットワークが提供され、ネットワークもオペレーションも分割されていました。これでは分割損が多く、コスト負担がのしかかります。1つのネットワークで様々なサービスに対応できるネットワークコンバージェンスが求められます」(鹿志村氏)

ネットワークコンバージェンスを実現する手段の1つとしては、5Gで提案されている「ネットワークスライス」の考え方がある。1つのネットワークの上に、要求事項の異なる複数のサービスを「重畳」させて載せていくという考え方である。

鹿志村氏は、「ターゲットとするネットワークアーキテクチャは、3つの要素で構成されます。1つが、物理的なIPネットワークやオプティカルネットワークを統合させた『シームレスユニファイドファブリック』、2つ目が各種のサービスを提供するためにその上に載る『ダイナミックサービススライス』、3つ目が、それらを統合管理する『エンドツーエンドオーケストレーション』です」と語る。

ターゲット ネットワークアーキテクチャ

まず、求められるシームレスユニファイドファブリックについて鹿志村氏は、スマートファブリックであることが必要だと指摘する。「IPネットワークもオプティカルネットワークも、求められるのは高次元のサービスゲートウエイや低次元のホワイトボックスではなく、中間に位置する機能だと考えます。複雑性を吸収したシンプルな構成でスケーラブル性を持ち、SDN(ソフトウェア定義型ネットワーク)などによるプログラマブル性を備え、信頼性(レジリエンシ)や安全性も確保できる――。そのような機能を備えたスマートファブリックが求められます」(鹿志村氏)。インテリジェンスと価格競争力を兼ね備えたネットワークファブリックが、スマートファブリックだという説明である。

一方で、顧客に向けたサービススライスは、「ダイナミックエッジ」と呼ぶゲートウエイとして提供する考えを示した。「ダイナミックエッジでは、物理的または仮想化したサービスとして柔軟にサービスを利用できる必要があります。数秒でローンチできるような自動化のソリューションや、必要に応じたキャパシティーの増減が可能な柔軟性が求められます」(鹿志村氏)。さらに、スマートファブリックの上で、物理的/仮想化したネットワークを柔軟に運用してそれぞれのダイナミックエッジを生成するために、エンドツーエンドでのオーケストレーションが必要だという。

SDNのエンドツーエンドのサービスを提供へ

スマートファブリックとサービススライス、オーケストレーションの3要素から構成される今後のネットワークのアーキテクチャを支えるのは、仮想化技術である。鹿志村氏は、「ノキアは早期から開発への投資を行い、性能面でのリーダーシップと広いポートフォリオを獲得してきました。キャリアのネットワークの仮想化はモバイルコアの部分から進みましたが、ノキアの仮想ルーターの性能は他社の4〜8倍も優れていますし、VNF(Virtual Network Function)としてフルIPサービスのポートフォリオを提供しています」とこれまでの成果を説明した。

展示ブースでSDN関連ソリューションを説明する鹿志村氏

その上で、「パケットコアの機能は、これまでセンター側に集中していました。ところが仮想化により、一部のデータはエッジに近いところでIPにブレークアウトして、アプリケーション、インターネットに流すことが可能になります。すべてのデータがセンターのパケットコアを介して通信するという従来のネットワークデザインにイノベーションが起こるわけです」(鹿志村氏)。

また鹿志村氏は、「仮想化によるもう1つの考え方が、コントロールプレーンとデータプレーンを完全に分離できないか?ということです。それぞれのプレーンの中央集中または分散配置を自由に設定できるようにすることで、サービスのリクワイアメントに応じてサービスの機能を自由に設定できるようになると考えています」と仮想化の効用を指摘する。

一方で、鹿志村氏はSDNのソリューションについても言及した。「ネットワークをいかに自動化するかという課題への答えがSDNであり、ノキアではエンドツーエンドのSDNソリューションが提供できます」と語る。データセンターの自動化、WANを仮想化するSD-WAN、キャリアのネットワークのプラットフォームを仮想化するキャリアSDNなど、SDNの利用環境は整ってきている。ノキアは、同社のベンチャー子会社であるNuage Networksを通じてSDNソリューションを開発、提供しており、SDNを使ったエンドツーエンドのソリューションが提供できるという。

SDN for DC / Cloud / WAN、Carrier SDN

「Nuage Networksのソリューションでは、マルチハイパーバイザーへの対応やコンテナ対応、パブリッククラウドとの接続自動化の機能も提供しています。ブランチのWAN側のネットワークも、統一して制御できるソリューションです。SDNによって、ネットワークのファブリックの上に様々なサービスやアプリケーションを自由に設置できるようになるわけです。理想的な全部入りの絵を描けば、スライシングや仮想環境の提供、仮想化されたサービスを柔軟に組み合わせて提供できるようにするサービスチェイニングの実現、ネットワークの最適化などがあります。これらが、Nuageのソリューションで実現できるようになってきています」(鹿志村氏)

今後のキャリアのネットワークに求められるのは、様々な異なるサービス要求に統一的なソリューションの提供で対応すること。こうした要求に応えるネットワークアーキテクチャの姿が、着実に具体化されてきていることを鹿志村氏は講演で示した。

クラウド技術展示

会場では、ノキアのクラウドソリューションを紹介する技術展示があった。

Nuage Networksクラウド/WAN SDN
ネットワーク・サービス・プラットフォーム

ノキアの包括的なSDNソリューションとして、Nuage Networksのポートフォリオを使ったネットワークサービスの自動化、統合管理の実現の様子を示した。データセンター向けのSDNソリューション「VCS」、企業拠点まで仮想ネットワークを延伸させるSD-WANソリューションの「VNS」、キャリア向けのSDNとしてWAN-SDNソリューションなどを用意し、WANからデータセンターまでシームレスに連携させて統合監視、運用ができることをアピールした。

ノキアのクラウドIoTソリューション

デモでは、SD-WANによる拠点も含めたネットワーク設計の容易さを示した。画面上のダッシュボードでは組織図を模したユーザーインターフェースが表示され、ドラッグアンドドロップによってネットワークを簡単に設計、変更できる。拠点も含めたネットワークを仮想化することで、エンジニアを派遣することなくネットワークの設計や変更がリアルタイムに実施できる。

SD-WANによる拠点も含めたネットワーク設計

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