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プロセラネットワークスが提供するDPIソリューションが通信事業者にどのような価値をもたらすのか、お客様に提供している「ユースケースブック」の中からご紹介します。

プロセラネットワークス Vice President, Product Line Management Jacob Christensen

プロセラネットワークス Vice President, Product Line Management
Jacob Christensen

プロセラネットワークスは、通信中のパケットを識別する機能であるDPI(Deep Packet Inspection)を実現するツールを提供する企業です。プロセラネットワークスのミッションは、通信事業者に対してリアルタイムに様々なデータを可視化するインテリジェンスを提供し、ビジネス決定を促すことです。言い換えれば、通信事業者が顧客に対して高い満足度を提供しながら、一方でより高い収益を上げられるようにするためのツールを提供しているのです。通信事業者の回線を流れるデータに価値をもたらし、加入者体感を高めることで、収益を高める循環を作り出します。

プロセラネットワークスが提供するツールは、大きく3つのソリューションを提供します。1つが「アナリティクス(洞察)とレポート」、2つ目が「トラフィックマネジメント」、3つ目が「ポリシーおよび課金」です。一方、ツールがあっても、それだけでは通信事業者が効果を上げることはできないかもしれません。なぜなら、ツールの持つ機能は、「ユースケース」と組み合わせることで価値を生み出すケースが多いからです。通信事業者が直面するユースケースに、どのようにプロセラネットワークスが提供するツールの機能を組み合わせていくか、それが最大の効果を得るためのポイントです。

5つのユースケースで整理して考える

プロセラネットワークスでは、私たちの顧客である通信事業者に向けて「ユースケースブック」を提供しています。ユースケースを整理することで、自社で求められる機能やサービスを明確にできるからです。ユースケースブックに掲載している中から、主な5つのユースケースを紹介しましょう。

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1つ目が「ラインシェアリングディテクション」です。ホームインテリジェンスなどに適合するユースケースで、家庭でネットワークに接続しているデバイスの情報を収集できます。デバイスの接続台数や種類、通信の状況などを確認できます。例えば、WiFiアクセスポイントの裏側で何が起きているのか、どの周波数で使っているのか、さらに利用しているユーザーの数や利用されているシグネチャなど重要な指標も得ることができます。こうした情報が得られれば自宅で何が起きているかを遠隔地からも把握できますし、こうした情報を元にしたソリューションを作る動きも出てきています。

2つ目が「アプリケーションカバレッジインテリジェンス」です。それぞれの無線基地局が通信を受け持つ「セル」ごとの状況を、アプリケーションのパフォーマンスとして可視化することができます。どのアプリケーションをユーザーがどこで何人使っているかといった洞察が得られるため、ネットワークのどの部分の通信品質を向上させる必要があるかも判断できます。

3つ目が「キャリアグレードNAT」です。アドレス空間が小さいIPv4はアドレスの枯渇が現実のものになっていますが、後継のIPv6の利用は遅れています。そこで過渡期の技術としてキャリアグレードNATによるアドレス変換技術が使われています。プロセラネットワークスの製品を利用すれば、キャリアグレードNATでもDPIのトランスレーションがうまくできます。他社のキャリアグレードNATのデバイスをつなぐ形でも、パケットの可視化が可能です。

プロセラネットワークス Vice President, Product Line Management Jacob Christensen

4つ目が「ペアレンタルコントロール」です。プロセラネットワークスでも注力しているユースケースといえます。ソリューションはコンテントロジック(URLデータベースとの連携機能)で作ることができ、加入者がどのようなサービスを使うかを選択しでコントロールできる機能を提供します。ペアレンタルコントロールを提供するコンテントロジックは、様々な規制があって特定のWebサイトやロケーションに接続が許されない国の接続制限でもよく使われています。

5つ目が「Wi-Fiトラフィック管理」です。プロセラネットワークスにとって重要なユースケースであり、数多くのソリューションを提供しています。Wi-Fiトラフィックの輻輳(ふくそう)を管理したり、アクセスポイントから情報を入手しそれぞれの場所での通信状況を確認したりすることができます。Wi-Fiトラフィック管理は、既存のWi-Fiネットワークで利用するだけでなく、様々な利用形態があるでしょう。コンサート、スタジアム、空港、ホテルなどの特殊な会場でも展開できるのです。Wi-Fi利用者がどこにいて何をしているかを把握することもできますし、例えば空港ではどこに人が並んでどのぐらいの滞留時間があるかなどもわかります。

こうしたユースケースはお客さまの要望によって変化します。私たちプロセラネットワークスは、お客さまにユースケースを作っていただくためのツールを提供しています。しかし、実際のユースケースはお客さまの要望があってできるということを忘れないでいただきたいと思います。

4つのエリアに注目してイノベーション

プロセラネットワークスはDPIの企業なので、その観点からマーケットを見ています。そこでは会社としていくつか注意をはらっているエリアがあります。私たちが注目する4つのエリアを紹介しましょう。

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第1のエリアは「トラフィックの暗号化」です。現在では多くのトラフィックが暗号化されるようになりました。今後はほとんどのトラフィックが暗号化されていくでしょう。パケットから情報が得られにくくなるのです。プロセラネットワークスのDPIでは、暗号化されたトラフィックであっても高い解像度でユーザーの挙動を可視化できるようにします。それに伴い、帯域をどのようにアサインするかといったことを考えています。

第2のエリアは「仮想化」です。ベンダー、通信事業者ともに通信業界の変革にかかわる領域です。プロセラネットワークスでも、ソフトウエアが仮想化環境にも対応できるようにかなりの投資を行っています。実際、プロセラネットワークスの「パケットロジック」はVMWareやKVMに対応しているので、サードパーティーのハードウエア環境で稼働させることが可能です。2019年までにはDPIの50%以上が仮想環境に実装されると見込んでいます。

第3のエリアは「サービスの差別化」です。将来を考えると、例えば顧客のサービス体感の向上は、サービスの差別化に直結してくるでしょう。どのようにしたらサービスの差別化ができるかを考え、通信事業者のみなさまに必要なツールを提供し、さらに差別化したプランをオファーできるようなサービスの提供を心がけています。

第4のエリアは「スピード≠品質」です。スピードは品質の指標ではないということです。もちろんスピードは重要な意思決定ポイントになりますが、それは必ずしもユーザーの体感に結びつくものではありません。ネットワークそのものの品質や、通信のキャンセル率などがユーザーの体感に結びつき、それがユーザーに提供する「品質」を左右するのです。

イノベーションパートナーとしてユースケースを創出

プロセラネットワークスでは、DPIを実現するツールを提供するだけでなく、通信事業者のお客さまが求めるユースケースを紹介し、データから新しい価値と収益を生み出すことを考えています。プロセラネットワークスではプロフェッショナルサービスとして、様々なアドバイスを行うほか、ネットワークアナリティクスポータルを提供し、ゼロ課金の戦略についても支援を行っています。

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私がお客さまにメッセージとして伝えたいことは、「プロセラネットワークスを、イノベーションパートナーと考えて欲しい」ということです。通信事業者はデータを活用することで、コスト削減だけでなく、付加価値を高めて収益を上げることができるのです。イノベーションとは、お客さまとプロセラネットワークスの間で密接に協力しあうことで、初めて生まれるものです。プロセラネットワークスにもアイデアはたくさんあります。そこにお客さまの要望やアイデアが結びついて、ユニークなユースケースが生み出されると考えています。

プロセラネットワークス Vice President, Product Line Management Jacob Christensen

プロセラネットワークスは、お客さまが現在持っているサービスや状況に対して付加価値をつけるそのためのプラットフォームを持っています。どんどん質問や指摘をしてもらえば、お客さまと一緒にさまざまなビジネスの状態に対する知見を深めて、新しい提案をしていけると思います。

【関連情報】
さまざまな利用パターンの可視化でユーザー体感を向上するソリューション プロセラネットワークス
メールでのお問い合わせはこちらまで japan-sales@proceranetworks.com

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