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広角ビームフォーミングが可能な小型5Gアンテナ、三菱電機が開発

2017.04.20

Updated by Naohisa Iwamoto on April 20, 2017, 06:25 am JST

20170419_mitsubishi0012020年までに商用化の開始が見込まれる第5世代移動通信システムの「5G」。実用化に向けた機器の開発も進んでおり、基地局に用いる小型の5Gアンテナを開発したことを三菱電機がアナウンスした。

三菱電機が開発したのは、5Gでの利用が想定される28GHz帯に対応した超多素子アンテナ・RFモジュールで、多くのアンテナを利用して多重化するMassive MIMOを実現する。多素子アンテナと高周波回路のRFモジュールを一体化していながら、RFデバイスの高集積化により幅120×高さ240×奥行き28mmと小型化に成功。フィールドでの設置を容易にする。

開発した製品の特徴は、小型化以外にも大きく2つある。1つは、広い信号帯域幅を実現することで、高速大容量通信を可能にすること。高周波回路を広帯域化して800MHzという広信号帯域幅を実現した。もう1つは、独自開発の多素子アンテナとRFデバイスを組み合わせたビーム制御技術を採用し、広角のビームフォーミングを実現したこと。ビームフォーミングを水平方向で±45度と広角化することで、カバーエリアの拡大に寄与できる。

今回の開発品には総務省の委託研究「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発~高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発」の成果の一部が含まれる。なおこの開発成果は、米国ニューヨークで4月19日から開催される「Brooklyn 5G Summit」で発表される。

【報道発表資料】
5G基地局向け28GHz帯超多素子アンテナ・RFモジュールを開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。