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変動するホテル料金をトラッキング: Pruvo

2017.10.11

Updated by WirelessWire News編集部 on 10月 11, 2017, 07:00 am JST

イスラエル工科大学(テクニオン)出身のItai Marcipar氏は、3年前のある日、家族旅行のためにホテルの予約をした。誰もがするように、いくつもの旅行サイトを比べて選んだらしい。開いたブラウザのタブは10個に及んだという。時間と手間をかけたというわけだ。

何週間か経って部屋をアップデートしようと予約サイトを再び訪れた同氏は驚いた。同じホテルの同じ部屋の価格が35パーセントも安くなっていたのだった。これに興味を持った同氏は、その後も価格の変動を調べ続けた。その結果、ホテル予約の4割で同様の現象が見られたという。下げ幅は最大で67パーセントにも及んだ。

このことが、スタートアップ起業のきっかけになった。同じくテクニオンを卒業した友人のエンジニア、Regev Brody氏と組んで、予約したホテルの部屋の価格の変化をトラッキングするアルゴリズムを作り、1年半前にスタートしたのが「Pruvo」だ。Brody氏は現在、PruvoのCTOを務めている。

たくさんあるホテルの比較ができるサイトは、テレビCMを使ったプロモーションを世界各国で積極的に展開している「trivago」(日本のCMでは女優のナタリー・エモンズを起用)、「Booking.com」「Travelocity」などすでにいくつもある。これらは、その時点の最安値を提示してくれて予約ができるというものだが、Pruvoは予約の後に働き始める。

Pruvoのサイトに行くと、Booking.comまたは「Expedia」のPruvo対応ページへのリンクが提示され、そのリンク先の予約サイトでホテルを選んで予約することができる。ブラウザにChromeを使っている人であれば、Pruvoが作った拡張プログラムをブラウザに追加しておくと、値段が下がったことがブラウザに通知される。Chrome以外でも、ホテル予約後に送られる確認メールをPruvoに転送しておけば、値段が下がったことがメールで通知される。通知を見た人は、自分で前の予約をキャンセルして、新たに予約を取り直すことになる。

対象エリアは、当初はイスラエルのみだったが、次に南米に展開して成功を収めたことから、順次、拡大している。スペインのマドリッドやイビザ島に加えて、山形や白馬、熱海、新潟なども含まれている。

Pruvoの利用は無料。Pruvoを通じて予約すると、予約サイト(Booking.comかExpedia)からPruvoにマージンが支払われる。予約サイト側には、ホテルから紹介手数料が入る。結局、ホテル側からすれば、最初の高額な予約がキャンセルされて、低額な再予約が行われるから、収入が減ることになる。

とはいえ、ホテルや航空機、レンタルビデオやレンタカーなどのビジネスは、空室や空席、借りられない映画や自動車があっても運営を続けなければならない。利用率を維持・向上させるためには、多くの予約サイトに情報を出し、予約やキャンセルに柔軟に対応せざるを得ないという側面がある(最初の予約と再予約で手数料が2回発生しないような取り決めがあるのかも知れないが、記事などからは読み取れない)。

各国でCMを大量投入するtrivagoと違って、Pruvoのマーケティングは主に口コミに頼っているという。安くなって感動した人が、ソーシャルメディアなどを通じて友達や家族にこのサービスを広めてくれているそうだ。

今後、Pruvoは対象エリアを拡大して行くとともに、同じように価格が変動するレンタカー料金や航空機、列車、イベントのチケットなど、取り扱う商品・サービスも拡大したいという。

【参照情報】
Israeli startup seeks to slash hotel rates by tracking price drops
#InnovationMonth: Is Pruvo the hotel industry's next big disruption?

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