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月額40円からのセルラーLPWA、KDDIがIoT向けに提供

2017.11.21

Updated by Naohisa Iwamoto on November 21, 2017, 10:41 am JST

低消費電力で広いエリアに通信が可能なLPWA(Low Power Wide Area)方式の中で、既存の携帯電話網を活用するセルラーLPWAのサービスが国内で始まる。KDDIが2018年1月に提供予定の「KDDI IoTコネクト LPWA(LTE-M)」がそれだ。

KDDI IoTコネクト LPWA(LTE-M)は、LPWAの1つであるLTE-M(Cat.M1)方式を利用したサービス。LTE-Mは、3GPPが定めたリリース13に基づくLTE標準規格で、既存のLTEネットワークで展開が可能であるため、既存の通信事業者にとっては広いエリアでのサービス提供が他の方式に比べると容易になる。KDDIでは、低消費電力技術の「eDRX」(extended Discontinuous Reception)と「PSM」(Power Saving Mode)、広域なエリアカバレッジを可能とするカバレッジ拡張技術(Coverage Enhancement)を採用して利便性を高める。

IoTでの利用を想定し、KDDI IoTコネクト LPWA(LTE-M)には専用料金プランを用意する。プランは月間のデータ通信量に応じた3種類。月間10KBまでの「LPWA10」、同100KBまでの「LPWA100」、同500KBまでの「LPWA500」に対して、それぞれ契約回線数に応じた料金設定がなされる。最も月額料金が低くなるのは、LPWA10で500万1回線以上の契約がある場合で、1回線当たりの月額料金は40円。同じLPWA10で1回線から1万回線以下の場合は同100円となる。データ通信量が多いLPWA500でも、500万1回線以上の場合で同80円、1万回線以下の場合で同200円とリーズナブルな設定をしている。

回線管理としては、パソコンなどからWeb上のポータルサイトにアクセスすることで、回線の一時停止や再開、利用終了などを管理する「回線制御」、オンラインによる「SIM発行」ができるほか、「各種ログの閲覧」「インターネットVPN」といった機能を備える。さらに、SIMカード内に格納された認証用の鍵とアプリケーションを活用した「SIMセキュリティ」にも対応する。

KDDIでは、ガス、水道などのスマートメーターでの自動検針用途や、荷物位置をリアルタイムに把握する物流での用途、ウエアラブルへの適用など、幅広い分野におけるIoT活用をサポートしたい考えだ。

【報道発表資料】
新たなIoT通信「KDDI IoTコネクト LPWA」の提供開始について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。