WirelessWire News The Technology and Ecosystem of the IoT.

capture image: Safe Hydrogen Energy | Change the World 2016(How to: Academy)

運搬せず飛行中に水素を作って発電

2017.12.15

Updated by WirelessWire News編集部 on 12月 15, 2017, 07:00 am JST

イスラエル工科大学(テクニオン)出身のShani Elitzur博士の専門は、スマート・モビリティや航空宇宙工学。今年の5月には飛行中の航空機の中でアルミニウムと水を使って水素を発生させ、その水素で発電することで航空機の電力を賄う技術を発表している(「On-board hydrogen production for auxiliary power in passenger aircraft」)。

水を電気分解すると水素と酸素が発生するが、この逆に水素と酸素を燃料電池に投じれば水と電気を得ることができる。燃料電池といっても携帯やリモコンに入れる乾電池のように電気を蓄えるものではなく、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置だ。

火力発電は、燃料を燃やして得た熱でタービンを回し、回転するコイルと磁石が生み出す電磁誘導で電力を得るという多段階の発電なので、それぞれの段階でロスが出るが、燃料電池は1段階。ガソリンエンジンなどに比べると、はるかに効率が良い。

水素は、二酸化炭素を発生させることなく発電できるため、クリーンでグリーンなエネルギーとしてかねてから注目されていながら、爆発の危険があり格納と運搬に課題がある。高圧で封じ込めるか超低温で液化すればコンパクトにできるが、その分のコストもかかるし、利用する際にも安全面の配慮が必要になる。

Shani Elitzur博士らの方法は、アルミニウムと水で水素を発生させる。アルミニウム(Al)粉末1kgに、水(水素分子「H」が2個と酸素分子「O」が1個)を1リットル合わせると、水酸化アルミニウム(Alに3個の水酸基「OH」が結合)と水素(Hが2個)になる。この工程に特許技術があり、常温で普通の大気圧の状態で上記の反応を起こすことができる。すでにボーイングやエアバスが、航空機内での発電に向けた調査を開始しているという。この技術はもちろん自動車や船舶、潜水艦などにも応用できる。

【参照情報】
Safe Hydrogen Energy | Change the World 2016
On-board hydrogen production for auxiliary power in passenger aircraft
Hydrogen Energy On-Demand from Aluminum and Water

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら