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IoTでコミュニケーションを可視化して働き方を改善へ、KDDIと村田製作所が実証

2018.05.22

Updated by Naohisa Iwamoto on May 22, 2018, 06:25 am JST

コミュニケーションの活性化をIoTで推進し、職場の働き方の改善をめざす。こんなIoTの利用法についての実証実験が、KDDIと村田製作所により始まる。両社は実証実験を通じて、コミュニケーション情報をセンシングして可視化・解析することにより、従業員の満足度向上と働きやすい環境づくりへの貢献を目指す。

具体的な実証実験は、ベルシステム24およびKDDIエボルバの両社の会議室に、村田製作所が提供する仮想センサープラットフォームの「NAONA」を導入して実施する。それらの会議室では社員と上司が面談を行う。その際の発言量、長さ、テンポといった会話のセンシングデータを基にして、コミュニケーションに質を可視化するというものだ。センシングデータは音声の特徴だけを抽出するため、会話の内容が特定されずにコミュニケーションの質を解析できることが特徴である。

コミュニケーション情報は、可視化した上で解析。上司の社員に対するコミュニケーションの質を高め、またより効率的な面談を行えるようにするため、解析結果を基にして外部アドバイザーによる上司に対するフィードバック研修を実施する。そのうえで、研修前後のデータを比較し、コミュニケーションの変化を検証する。

KDDIは実証実験に対して、データ収集、解析を行うIoT基盤を提供する。さらにKDDIグループのARISE analyticsの協力により、取得したコミュニケーションデータを使った商用サービス拡充に向けた解析を行う。村田製作所は、仮想センサープラットフォームのNAONAを提供し、ここで取得した音声データをAPIとして「KDDI IoTクラウド API Market」に提供する。またKDDIグループのアイレットがNAONAの開発に参画するように、KDDI、村田製作所の両社は協力して今後のIoTビジネスの拡大を目指す。

【報道発表資料】
KDDI、村田製作所 コミュニケーション可視化で面談の質を向上させる実証実験を実施

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。