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IoTやLPWAで益田市をスマートシティのテストベッドに--構想を推進する協議会が発足

2018.11.09

Updated by Naohisa Iwamoto on November 9, 2018, 06:25 am UTC

スマートシティの実現やデータ利活用に、官民が連携して取り組む動きが島根県益田市で具体化する。2018年10月29日に「一般社団法人増田サイバースマートシティ創造協議会」)MCSCC)が設立され、活動を開始した。

MCSCCでは、民間主導の自治体連携によるスマートシティ構想と、官民連携のIoTデータ利活用を推進する。MCSCCのスマートシティ構想では、益田市をテストベッドとして、環境、防災、医療ヘルスケア、財政、社会インフラなど、地方自治体や国が抱える社会課題を、IoTを活用したサイバー・フィジカル・システム(CPS:Cyber Physical System)社会の実現で解決することを目指す。

益田市では約2年前から、任意団体の「IoT益田同盟」が中心と鳴って、スマートシティ構想の実現を目指してきた。今回、益田市に加えて、周辺地域や他の地方都市、国との連携を高めた活動を行うため、公益性が高い一般社団法人を設立した。今回のスマートシティ構想では、10以上のプロジェクトを同時に進行する。その中でも「高齢化社会」「気象災害」を主要なテーマに位置付けた。

具体的には、まず増田市内に各種のセンサーを設置。センサーから得たデータをIoT向けのデータ通信方式であるLPWA(Low Power Wide Area)による無線通信ネットワークと有線の光ファイバーを用いるFTTH(Fiber to the Home)を併用するハイブリッド通信で、増田市役所に送信する。これらのデータを医療ヘルスケアや気象災害防止などに活用する仕組みを作る。

高齢化社会への対応では、地域に住む高齢者の健康データをモニタリングする。血圧測定のデータをIoTネットワークで集約し、最終的には1万人程度の市民まで拡大する。さらに尿検査や活動量計、体組成計などのデータにも拡大し、行政、医療、アカデミア、企業の4者が連携して高齢化社会への対応を進める。また気象災害については、水位監視システムを設置済みで、2018年7月に実証実験を開始している。将来的には川の氾濫を事前に予知して、適切な避難指示や水門の自動開閉などを実現したい考えだ。今後は日本版GPS衛星「みちびき」を利用した益田市の道路の路面状態のデータや、農作物を鳥獣被害から守るために設置した電気柵の鳥獣との接触データなど、多様なデータを掛け合わせて価値を高めていく。

【報道発表資料】
「一般社団法人益田サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)」設立

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。