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車両間で1ミリ秒以下の低遅延通信に成功、ソフトバンクが5G無線方式で

2019.01.30

Updated by Naohisa Iwamoto on January 30, 2019, 06:25 am UTC

5Gの要件の1つに低遅延通信がある。ソフトバンクは、5Gの新しい無線方式(5G-NR)を使って車両間の直接通信の屋外フィールド実験を行い、1ミリ秒以下という超低遅延の通信に成功したと発表した。

実験は、5G車載端末の実験用試作機をトラックに搭載して行った。5Gの候補周波数帯である4.5GHz帯を利用し、走行中の車両間で通信試験を行ったところ、車両間直接通信の遅延時間が1ミリ秒以下となることを確認できた。実験に使ったのは、3GPPにおいて2019年12月以降に標準化予定の「3GPP 5G-NR Sidelink」方式の実験用試作機である。

ソフトバンクでは、車両間直接通信における特殊な電波伝搬環境や技術的要求条件を把握する目的で、車両間直接通信の標準化に先駆ける形で5G-NRの無線伝送技術に基づいた実証試験を進めている。今回の成果は、総務省の「高速移動時において無線区間1ms、End-to-Endで10msの低遅延通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」の一環となる。

車両間で1ミリ秒以下の超低遅延通信を可能にすることで、トラックの隊列走行の実現に寄与する。トラック隊列走行とは、複数台のトラックを前後に近接して走行させること。先頭車両が有人運転で、後続車両が無人の自動運転で先頭車両を追従することで、少ない運転手で多くの荷物などを運べる。また近接走行することで後続車両への空気抵抗を減らし、消費燃料の削減にもつながる。1ミリ秒以下の低遅延通信によって、走行中のトラックの加減速情報や車間距離情報などを車両間で少ない遅れで共有して、複数台のトラックの協調制御を可能にする。

【報道発表資料】
世界初、5Gの新たな無線方式に基づく車両間直接通信の屋外フィールド通信試験における1ms以下の低遅延通信の成功について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。