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医療アルゴリズムにも存在する人種バイアス ほか

AI News October 5th week,2019

2019.10.30

Updated by Wataru Nakamura on October 30, 2019, 07:00 am JST

政府と投資家の後押しで急成長するフランスのAIスタートアップシーン【Venture Beat 10/22】
コンサルティング企業のローランド・ベルガーと仏スタートアップ関連組織のFrance Digitaleが欧州時間10月22日にリリースした新たなレポートによれば、フランス国内のAI関連企業は2019年、2016年の180社から倍以上の432社まで増加した。また、これらの仏AIスタートアップが2019年上半期に調達した資金の総額は6億3400万ドルで、これは同じ期間の英AIスタートアップ合計の6億2100万ドル、イスラエルのAIスタートアップ合計の4億5200万ドルを上回っていたという。

原文:France’s AI startup scene grew 38% in 2019 with government and investor backing

フェイスブック、顔認識システムを欺くAIツールを開発【The Verge 10/25】
フェイスブックのAI研究チーム「FAIR」は先ごろ、ライブ動画を含む動画で活用できる最先端の匿名化システムを開発。このシステムは、機械学習によって動画内の被写体の顔の重要な特徴をリアルタイムで変化させることで、顔認識システムが不適切に被写体を認識することを回避するものだという。フェイスブックは、顔認識技術によるデータ収集をめぐって集団訴訟を起こされている。

原文:Facebook trained AI to fool facial recognition systems, and it works on live video

AI分野でリードを目指す中国、小学校の授業にもAI技術を導入【Wall Street Journal 10/24】
中国浙江省金華市の孝順小学校では、脳の神経細胞の電気信号を読み取るヘッドギアを各生徒が装着して授業を行う実験的な取り組みが開始されている。このヘッドギアはマサチューセッツ州サマービルのBrainCoというスタートアップが開発したもので、独自のアルゴリズムで電気信号を「集中スコア」に変換し、生徒たちが授業中に十分集中しているかをモニタリングできる。

原文:China's Efforts to Lead the Way in AI Start in Its Classrooms

医療アルゴリズムにも存在する人種バイアス【Washington Post 10/25】
米国で広く活用されている医療アルゴリズムに白人患者に比べて黒人患者の治療ニーズを過小評価する人種バイアスがあるとするレポートを米「サイエンス」誌が掲載。このようなアルゴリズムは医療者の治療における意思決定をサポートするもので、米医療サービス企業のオプタム(Optum)などが販売するもののほか、同様のツールの多くに人種バイアスが存在するという。

原文:Racial bias in a medical algorithm favors white patients over sicker black patients

匂いを認識するAIを開発するグーグル研究者【Engadget 10/24】
グーグルのAI研究チーム「Google Brain」の先ごろArxivに掲載した論文の中で、AIに匂いを認識するよう学習させる方法について説明。この研究では、調香師が5000近くの分子の匂いをラベル付けし、このうち3分の2の分子の構造と匂いの関係をAI(グラフニューラルネットワーク)が学習。その結果、このAIは残りの3分の1の分子の匂いを予測できたという。

原文:Google researchers taught an AI to recognize smells

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中村 航(なかむら・わたる)

1985年生まれ。福岡県福岡市出身。翻訳者。テクノロジーやファッション、伝統工芸、通信、ゲームなどの分野の翻訳・校正に携わる。WirelessWire Newsでは、主に5G、セキュリティ、DXなどの話題に関連する海外ニュースの収集や記事執筆を担当。趣味は海外旅行とボードゲーム。最近はMリーグとAmong Usに熱中。