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ロンドン 若者 疎遠 イメージ

テック系の仕事を嫌がる欧州の若者

European young people avoid tech jobs

2019.12.18

Updated by Mayumi Tanimoto on December 18, 2019, 09:31 am JST

前回の記事では、欧州最大の経済大国であるドイツでもITを始めとする高度技能人材が大幅に不足しており、国内における養成が追いつかないので移民法の改正で外国人労働者の採用を簡易化する件をご紹介しました。

実は、欧州の他の国も、この人材不足に大変悩んでいます。

製造業が強いドイツだけではなく、イギリスやフランス、スペイン、イタリアでも、製造業を始め、テック業界でもスキルがある人材が不足しています。

はっきりいってこれは、もう欧州全体の問題で、高度技能人材は欧州域内だけではなく北米や東アジアとも取り合いになっている、という状況です。

欧州においては、テック系人材や熟練した製造業の技術者、研究者不足のために、人材を求め、オフィスを移転する企業まであるほどです。

日本企業は、製造業であればコスト抑制のために工場の移転などは行いますが、高度人材の獲得のためにそこまでする企業は多くはありません。

欧州企業がどれだけ真剣かというのが伝わってきます。

日本でもよく報道されているように、スペインやギリシャ、イタリアなどの南部は特に若い人の失業率が高いのですが、実は若い人に仕事がないというわけではないのです。多くの場合、スキルのミスマッチの問題です。

産業が盛んであるドイツでさえも、学生側は製造業やソフトウェア産業に対する偏見があり、特に製造業は就労環境が良く仕事も多いにもかかわらず、将来性がないと思い込んでいるので勉強することを敬遠しているのです。

これは、失業率が高いスペイン、ポルトガル、イタリアも同じで、EUが指摘するように、ITや製造業関連の場合は就職が容易で失業率が低いのにも関わらず若い人がスキルを学ぼうとしません

特に若い人が学びたいことと産業界が求めるスキルのミスマッチが起きているために、欧州域内は居住も就労もビザが必要ないのにも関わらず、EU統合時に想定したような「労働力の自由な移動による労働力の適切な配分」が起こっていないわけです。

これは、加盟国における教育政策に問題があると考えて良いのではないでしょうか。十分なスキルがある労働者が提供されていないのは、各国のSTEM教育が十分ではなく、学生のキャリア教育や啓蒙活動もうまく行っていないということです。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。