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島薗進氏

【島薗進氏による私塾】死にゆく人と愛の関係を再構築する技術 第7回:グリーフケアから新たなケアの文化へ

2021.12.27

Updated by Susumu Shimazono on December 27, 2021, 08:00 am JST

1月14日(金)にグリーフケア研究所所長・島薗進氏のオンライン私塾の第7回を開催します。島薗進氏による私塾は2022年からは新たなテーマで展開し、『死にゆく人と愛の関係を再構築する技術』は今回で最終回になります。最終回は参加無料ですので、是非ご参加ください。

これまで『死にゆく人と愛の関係を再構築する技術』は6回にわたって現代日本のグリーフケアの文化について考えてきました。

第1回 グリーフケアといのちの恵み
第2回 グリーフケアの集いと物語アート
第3回 喪失と弔いと魂のふるさと
第4回 ともに悲嘆を生きるということ
第5回 グリーフケアと修復的正義
第6回 語れない苦悩、分かちあえない悲嘆、死者との対話―自死の精神医学とグリーフケア―

最終回開催にあたり、メインスピーカーの島薗氏からは次のようなコメントをいただいています。

これまでの講義と対話のまとめとして、現代日本の文化の中でグリーフケアがどのような位置を占めているかについて考えていきたい。グリーフケアという言葉が使われるようになったのは1980年代の後半のことだが、その後、阪神淡路大震災や東日本大震災があり、多くの事故や事件があり、他方、日本社会の個人化が進み、「無縁社会」や孤立化が恐れられるに連れて、グリーフケアが意義深い課題として意識されるようになってきた。

持続するケアの絆は数少ない他者との間に限られることが多く、それだけに死別や喪失の経験が重く心にのしかかるようになっている。か細いケアの関係が失われることが、深い痛みとなって人々の心を襲い、スピリチュアルペインをもたらす。その悲嘆を受け止める『喪の仕事』を行うための資源と場所が求められている。

では、コロナ後の社会はどうか。新型コロナウイルス感染症によって、ケアの関係を維持し育むことがますます容易でなくなった。人々が孤立しやすくなる傾向が増した。とりわけ社会的な弱者がそうした変化に苦しんでいる。だが、他方で、ケアの意義を見直し、ケアが重視される社会を求めたり、新たなケアの文化を育もうとする動きも見られる。グリーフケアはそうした動きの中にあるものと見ることもできる。そして、その中ではアートやスピリチュアリティが一定の位置を占めるようにもなっている。こうした日本社会の新たな動向についても考えてみたい。

今回も、聞き手は医療・科学ライターの小島あゆみ氏が担当。医療現場を取材するなかで培った知見を基にグリーフケアを学ぶお手伝いをします。

プログラム

19:00 島薗氏によるトーク
20:30 休憩
20:40 ダイアログ
21:00 質疑応答
※プログラムの内容・順番・時間などは予告なく変更となる可能性がありますのでご了承ください。

開催スケジュール等

●日 程:2022年1月14日(金曜)19:00〜
●会 場:Zoomを利用したオンラインイベントです。
お申込みはこちら http://ptix.at/p8v6o7
お申込みいただいた方には、前日までに参加URLをメールにてお送りします。
●参加料:今回は無料となります。
※チケットの購入期限は当日1月14日の17:00までとさせていただきます。
●主 催:WirelessWireNews編集部(スタイル株式会社)

メインスピーカー プロフィール

島薗進氏島薗 進(しまぞの・すすむ)
1948年東京都生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所所長。おもな研究領域は、近代日本宗教史、宗教理論、死生学。『宗教学の名著30』(筑摩書房)、『宗教ってなんだろう?』(平凡社)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日選書)、『日本仏教の社会倫理』(岩波書店)など著書多数。

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島薗 進(しまぞの・すすむ)

1948年東京都生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所所長。おもな研究領域は、近代日本宗教史、宗教理論、死生学。『宗教学の名著30』(筑摩書房)、『宗教ってなんだろう?』(平凡社)、『ともに悲嘆を生きる』(朝日選書)、『日本仏教の社会倫理』(岩波書店)など著書多数。