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激変の時代に持続可能性を強調、ローカル5Gのソリューションも披露――ノキア

2022.08.01

Updated by Naohisa Iwamoto on August 1, 2022, 06:25 am JST

「世界は変化しているが、それはいい方向だけではない。格差の拡大や脱グローバル化が進み、エネルギー問題が深刻になっている。私が住んでいるフィンランドの電気代は短期間に4倍に跳ね上がり、節電が切実な課題になった。他人事ではなく、通信業界も持続可能性を保つためには消費電力を削減しなければならない」。こう語るのは、フィンランドのノキアで製品管理部門責任者を務めるブライアン・チョー氏だ。東京で開催されたプライベートイベント「Connected Future2022」でのことだ。

▼持続可能性の必要性を説くノキアのブライアン・チョー氏

イベントでは、ノキア日本法人のノキアソシューリョンズ&ネットワークスで代表執行役員社長を務めるジョン・ランカスターレノックス氏も持続可能性について説明した。「通信業界は、多くの資源を消費しているのが現状だ。ノキアは多くの投資によってモバイルネットワークを支えている。自社開発の半導体の設計で大量の通信を省電力で実現するだけでなく、機器の小型化による原材料の削減、物流や出荷の資源削減、運用の資源削減にも務めている。ソフト開発の側面でも、AIや自動化の進展で、コスト効率の高いネットワークを開発している」。

その効果としてランカスターレノックス氏は、「DXを推進することで10倍以上の削減効果が持たさされるだろう。ノキアという組織はもちろん、エンタープライズのパートナーに対しても、日本や世界でメリットにつながる取り組みだ」と続ける。

▼ノキアソシューリョンズ&ネットワークスで代表執行役員社長 ジョン・ランカスターレノックス氏

ノキアの方向性としてチョー氏は、「ノキアはワイヤレス分野で持続可能なリーダーとして業界を牽引していきたい。高性能の無線ソリューションを提供し、5Gの製品提供から5G Advanced、6Gへの進展でのリーダーシップを確保していく」と語る。

同氏は、自社開発の半導体による性能とエネルギー効率の双方の向上で新製品の電力削減につなげるほか、既存のハードウエアに対して改良したソフトウエアを定期的にリリースすることで、エネルギー効率を高める取り組みも進めていることを説明。また、基地局のハードウエアの冷却を水冷式にする「Liquid Cooling」では、CO2の排出を80%削減、冷却システムのエネルギー消費を90%削減し、日本ではKDDIが実証を行ったことも説明した。

Connected Future2022の会場には、最新の製品やソリューションの展示ブースも設けられた。ネットワークインフラストラクチャ製品から、モバイル通信の機器、エンタープライズ向けのソリューションなどが並んだ。

自社運用型の通信ネットワークのニーズに応えるものとして、ローカル5G、プライベートLTEのソリューションの展示、デモもあった。クラウド型のマネージドサービスとして提供するNokia Digital Automation Cloud(NDAC)で、ローカル5GやプライベートLTEに必要な要素をサービスとして提供する。

▼ローカル5Gで利用するアンテナ

展示では、コアネットワーク装置、基地局、アンテナのハードウエアを展示。キャリアグレードの機器を使うことで、信頼性の高いローカル5Gなどのプライベートネットワークが構築できる点をアピールした。

▼ローカル5Gのソリューションで利用する基地局とコアネットワーク装置

また、NDACは各種の管理をクラウドベースで行えることに加えて、エンドツーエンドのアプリケーションプラットフォームとしても活用できる点が特徴だという。産業用のプライベートワイヤレスのインフラ構築だけでなく、コミュニケーション、統合運用と自動化、映像分析、トラッキング、自律移動ロボット、XR(複合現実)などの多様なアプリケーションを、NDACで提供することで、導入の負担を減らしてビジネスに活用できるように支援する考えだ。

▼アプリケーションプラットフォームとしての機能も備えるNDAC

説明員は、「ローカル5Gの設備一式を導入すると1億円単位のコストがかかっていたが、低コスト化が進み数千万円台での導入が可能になっている。アプリケーションプラットフォームまで含んだマネージドサービスであり、キャリアグレードの機器による信頼性があることを特徴として知ってほしい」と説明した。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。