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人間はAIが作成した小説で感動するか?

Can AI write moving novels?

2022.12.26

Updated by Mayumi Tanimoto on December 26, 2022, 12:00 pm JST

今年後半に話題になったのが、AIが作成した小説や絵本の登場でした。

以前からAIが作成した文章は登場していたのですが、定型化されたニュースの作成やスポーツ記事などが多く、それほど話題になっていませんでした。最近では、長い小説を作成したり、子供向けの作品をAIで作成し、実際に販売する例が登場し始め、英語圏では話題になっています。

例えば『Alice and Sparkle: An exciting children's story that explores the magic of technology 』という作品は子供向けの絵本で、AIを使用して作成したイラストと文章で少女とAIの関係について描かれています。この絵本では、AIを使用して作品を制作したことが明記されているのですが、説明がなければ人間だけで作ったとしか思えない内容です。

ただし、あくまで世の中に存在する文章や絵を集めてきて焼き直したものになるので、例えば最近漫画家の漫☆画太郎先生がガタロー☆マン名義で 執筆した『ももたろう』や『おおきなかぶ~』のような度肝を抜く絵柄の絵本を作ることはできません。

どちらも、これまでに全く存在しない絵柄で凄まじいストーリーです。ちなみに、うちの子供だけではなく、イギリスの子供に読み聞かせして一番凄まじい影響があったのはこの2作品です。とにかくその辺にある絵本とは内容がまったく違うので、大変な驚きがありました。『Alice and Sparkle: An exciting children's story that explores the magic of technology』の方は、その辺によくある絵本ともいえる内容なので、子供には受けません。

また、小説家のEric Silbersteinさんは、GPT-3を使用して小説のプロトタイプをいくつか作成し自分が執筆したものと比較しています。AIが作成した文章は、人間が作ったものと大きな違いがなく見分けがつかない、という驚きの結果をサイトで公開しています。

しかし、どちらの例もウェブサイト上の既に存在するイラストや文章をサンプルとして新たなものを生成したので、最初から完全に新しいものを作ったというわけではありません。AIの機能はどんどん発達はしていくと思うのですが、 やはり全く存在しなかったものを作り出すというレベルには達していない印象です。

そしてSilbersteinさんが指摘するように、小説の定型化したパターンで執筆をすることは出来るのですが、AI自体は思考しないので、例えば小説の最も重要な部分である 大きなテーマを、様々な文章を通して演繹的に伝えることや、人間の感性を刺激するような表現をすることはまだ難しい段階だと思われます。

これはやはりイラストや絵画でも同じす。例えば、私たちが実際に美術館に行って手で描かれた絵画を見て受ける印象というのは、その大きさやタッチの不完全さ、経年劣化などから感じるものを総合的に含んだものですから、思った以上に複雑な要素を含んでいます。 

人間の感性とは何なのか、ということに関してまだまだ研究が必要な気がします。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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