写真:Smiltena / shutterstock
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リアルな空間で会うときに比べ、オンラインでの出会いは情報が少なくなりがちです。それでも、自己紹介をするときには少しでいいので自分の「好きなもの」を言い添えてみましょう。あなたがより魅力的に映るかもしれません。
価値観が似ている人ほど魅力的?
あなたの仲の良い人を思い浮かべてください。友だちでも、同僚でも、配偶者でも、家族の誰かでも構いません。さて、その人たちは、あなたと同じ価値観を持っていますか? それともちょっと違った価値観を持っていて、それが意外と仲良しの秘訣だったりするでしょうか?
私たちが自分と似た価値観を持った人に惹かれるのか、それとも、自分とは違った価値観を持った人に惹かれるのか。これについては、実は古くから研究されています。
テキサス大学のバーン氏らは、1965年に自分と価値観が一致している他者ほど魅力的に感じられるという研究を発表しました。バーン氏は、まず参加者にいくつかのトピックについて自分の価値観を報告させます。トピックは幅広く、SF、ガーデニングといった個人的な趣味から、福祉、子どもの躾のあり方といった社会的な価値観まで様々でした。
続いて、他の参加者が同じ価値観について答えた回答用紙を見て、その参加者をどれくらい好きかについて答えさせます。すると、他の参加者の価値観と自分の価値観が一致していれば一致しているほど、好感度がどんどん高くなっていたのでした。心理学では、この現象を「態度の類似性効果」と呼んでいます。私たちは、自分と多くの面で価値観が似ている人を好きになるようです。
嫌いなものの共有より、好きなものの共有
しかし、どんな価値観でも共有してさえいればいいのでしょうか? 例えば個人的な価値観よりも社会的な価値観の方がそれを共有している意味が大きいというように、価値観の中でも共有する効果が大きな価値観と、そうでもない価値観があるのでしょうか?
ケルン大学のゾーン氏らは、好きなものが自分と一緒の相手と、嫌いなものが一緒の相手の、どちらに好意を持つかを調べました。ゾーン氏は、参加者に、映画、ミュージシャン、余暇の過ごし方、食べ物、飲み物、本や雑誌、有名人、国という8つの分野それぞれについて、好きなものを2つ、嫌いなものを2つ挙げてもらいました。そして、自分と同じ映画を好きな相手、自分と同じ映画を嫌いな相手、というふうに想像してもらい、その相手に対する好感度を回答してもらったのです。
その結果、自分と同じものを好きな相手に対する好意の方が、自分と嫌いなものが一緒の相手への好意よりも高くなっていました。つまり、好きの共有の方が、嫌いの共有よりも、人への好感度を強くするという結果だったのです。
※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の前半部分です。
(「好き」を表明すると、魅力的に見える)
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