心房性細動(不整脈の一種)という心拍の異常を、普通のウェブカメラを使って簡単に診断するシステムをロチェスター大学やゼロックスの研究者が開発した。15秒間、顔をスキャンし、緑色のスペクトラムの変化を調べると、薄い顔の皮膚の裏の血管のパルスを検出することができるそうだ。静脈のヘモグロビンが緑色の光を吸収する性質を利用している。
通常の心拍数は毎分60回から100回だが、心房性細動では140回を超えることもある。心電計を使って調べた場合のエラー率が17から29パーセントなのに対して、ウェブカメラを使った場合のエラー率は20%だったという。
ウェブカメラで可能ならスマートフォンでも可能だろうから、今後、精度が向上すれば診察室や自宅での簡易診断に活用できるようになるであろうし、他の病気の診断にも適用領域を拡大していくことができるかもしれない。
アメリカにおける心房性細動の患者は300万人以上いると推定されているが、そのうち30パーセントは診察を受けていないと見積もられているそうだ。こうした簡易診断が病院へ向かう人を増やし、結果的に多くの人々の命を救ってくれるようになるだろう。
【参照情報】
・ロチェスター大学のニュースリリース
・Lifesaving heart tests could be done from home
・Researchers discover webcams can be used to diagnose abnormal heart rhythms
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