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クラウド事業者のためのオープンソースプロジェクト「OpenStack」

2010.08.23

Updated by WirelessWire News編集部 on August 23, 2010, 18:00 pm JST

企業のサーバOSとして使われているLinux、仮想化ソフトウェアのXen、WebサーバのApacheなど、いまではさまざまな目的に合ったオープンソースが存在します。そして今度は、クラウドのプラットフォームとなる、スケーラブルな計算システムと分散オブジェクトストアなどのソフトウェアをオープンソースとして開発しようという「OpenStack」がスタートしました。

OpenStack
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OpenStackの中心となったのは、クラウド事業者のRackspace HostingとNASA(アメリカ航空宇宙局)。そのほか、デル、シトリックス、NTTデータ、インテル、AMD、RightScaleなど多くの企業が参加を表明しています。

OpenStackによるソフトウェアはすべてがApache License 2.0で提供される予定で、「There will be no "Enterprise Edition".」と、高機能版や有償版のエンタープライズエディションといったものはない、とのこと。

RackSpaceのCSO Lew Moorman氏は、OpenStackによってクラウドの標準化とベンダロックインの排除、そしてイノベーションの加速を促進したい、とコメントしています。

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OpenStackを構成するComputeとStorage、2つのプロジェクト

OpenStack Compute
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OpenStackでは、現在2つのプロジェクトが始まっています。「OpenStack Compute」と「OpenStack Object Storage」です。

OpenStack Computeは、NASAが開発し利用しているクラウドのNebulaをベースにしたもの。大規模なインスタンスの展開を可能にするIaaSの機能を備えています。10月中旬に最初のリリースが登場予定。

OpenStack Object Storageは、RackSpaceが商業サービスとして提供している「Cloud Files」のコードをRackSpaceがオープンソースとして提供したもの。OpenStack Object Storageのコードは現在デベロッパープレビューとして公開されており、9月中旬に最初のコードがリリースされる予定となっています。

Eucalyptusとは何が違うのか?

オープンソースによるクラウド用のプラットフォームとしては、すでにEucalyptusというよく知られたソフトウェアがあります。OpenStackはEucalyptusとどう違うのでしょうか?

OpenStackのWebサイトでは、「既存のオープンソースの中には、私たち(RackSpaceやNASA)が望むような大規模なスケーラビリティを扱えるものはありませんでした」と、Eucalyptusを超えて、クラウド事業者であるRackSpaceや大規模ユーザーであるNASAが満足するようなスケーラビリティを備えたものをOpenStackで実現することが、Eucalyptusとの違いであることを暗に示しているようです。

OpenStackが成功しオープンソースとして提供されれば、既存のホスティング業者もクラウドへの参入が容易になり、クラウド間での競争がまた激しくなっていくのかもしれません。

文・新野淳一(ブログ「Publickey」 Blogger in Chief)

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