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[先週の動き]iOS 4公開、iPhone 4発売のアップル週間、対抗陣営も存在感を示す発表を続々

2010.06.28

Updated by WirelessWire News編集部 on June 28, 2010, 10:30 am JST

1週間に2つのアップル関連の話題があると、もうその週はアップル一色に染まった印象になる。iOSのダウンロード開始にiPhone 4の発売が重なった先週は、iPad発売の先月末を上回るほどの"アップル週間"だった。

お待たせiPhone 4

201006281030-1.jpg画像流出などiPhoneファンの気をもたせる事件もあった中で、満を持して登場したiPhone 4。iPad発売時に続き、6月24日はまたしてもアップルストアやソフトバンクショップに長い行列ができた。人気は発売前から高騰し、ソフトバンクモバイルは発売前週金曜日の18日に事前予約を打ち切った。一方で当日販売を並行するとアナウンスしたことから、一部のユーザーから不満の声も上がっていた(関連記事:iPhone 4が24日に発売、販売方法などで混乱も)。

ソフトバンクモバイルの孫社長の予想をも上回る予約があったというのだから、予約打ち切りはやむを得ないことだったのだろう。国内の3世代目にして、まだそれだけの人気があることを改めて世に示したことになった。いったん打ち切っていた予約受付は、店頭での発売後に再開された(参考記事:ITメディアソフトバンク、iPhone 4の予約受け付け再開)。販売が始まった現時点でも、提供されているiPhone 4はブラックのモデルだけ。ホワイトのモデルを待つ人には、7月下旬以降の発売とのアナウンスがあった。

iPhone 4も搭載しているOSの「iOS」。マルチタスクやフォルダ分けなどの新しい機能を利用できるOSだ。従来のiPhoneもアップデート可能で、国内ではiPhone 4発売の2日前に当たる6月22日未明にアップデートできるようになった(関連記事:iOS 4、22日未明からアップデート可能に)。iPhone 4の一部の機能を先取りできるということもあってか、一時はアップデートファイルのダウンロードに長時間が必要だったようだ。

iPhoneに負けじとAndroid端末なども次々登場

201006281030-2.jpgKDDIは、iPhoneと同日にWindows MobileをOSに搭載したスマートフォン「IS02」を発売した(関連記事:au初の個人向けスマートフォン「IS02」、iPhone 4と同じ6月24日に発売)。さらにiPhone発売日の6月24日には、クラムシェル型のAndroid端末「IS01」を6月30日に発売するとアナウンス(報道発表資料:auのスマートフォン「IS01」の販売開始および「au one Market」の提供開始について)。ソフトバンクモバイル+アップル陣営に一矢を報いた形だ。

海外でも、iPhoneに対抗する動きがあった。米国では通信事業者ベライゾンが、モトローラ製のAndroid端末「DROID X」をiPhone 4発売の前日の6月23日に発表した(関連記事:米ベライゾン、最新Android端末「DROID X」を7月15日に発売、Android 2.2へアップデートを予定)。発売後に最新OSのAndroid 2.2へのアップデートを予定しており、Adobe Flash Playerの最新版である10.1にも対応する。Flashコンテンツを閲覧できないiPhoneに対して、パソコン向けのサイトとのエクスペリエンスの共通性を売りにして普及を狙う。

前後してアドビシステムズはAdobe Flash Player 10.1の公開を発表。Android端末など多くのスマートフォンでの採用をアピールした(関連記事:Adobe Flash Playerの最新版がいよいよスマートフォンにも対応)。

国内では、Androidをスマートフォンとは異なる製品に採用したニュースも飛び込んできた。東芝が8月に発売を予定している「dynabook AZ」がそれ。ネットブックのような小型軽量ボディーにAndroid 2.1をOSとして搭載、連続で7時間のバッテリー駆動が可能だ(関連記事:東芝、Android 2.1を搭載したクラムシェル型デバイス「クラウドブック」を発表)。

がっちりと自分の世界を固めるアップルに対して、間口が広いAndroidはのびのびと成長しているように見える。この戦いは、まだ本当に始まったばかりなのだ。

WiMAXとCDMAの共用データ端末が登場、無線LAN内蔵SDカード普及へ業界団体も

201006281030-3.jpgスマートフォン以外の先週のトピックをいくつか紹介したい。1つは、KDDIが発表したWiMAXとCDMAの共用データ通信端末。高速なWiMAXが使えるところではWiMAXを、それ以外の場所ではCDMA WINのデータ通信を使い分ける。自動的に電波状況を検知してハンドオーバーするため、ユーザーにわずらわしさはない(関連記事:KDDI、WiMAXとCDMA WINをハンドオーバーできるデータ通信端末4製品を発売)。この製品の登場によって、KDDIがUQコミュニケーションズを設立した意味の一端が見えてきた。

東芝は、無線LAN機能を内蔵したSDカードの普及に向けて、業界団体を設立した。デジタルカメラなどにこのSDカードを挿して、デジタルカメラ同士やパソコンなどとの間で自由に画像データをやりとりできるようにすることが目標だ(関連記事:東芝、無線LAN内蔵SDカードの普及に業界団体を設立)。デジタルカメラに限らず、さまざまな機器に通信機能を付加できる取り組みであり、今後の発展に期待したい。

コンテンツでは、2つの話題をピックアップする。1つは動画配信ソリューションのジャンルで、ブライトコーブが同社のシステムでスマートフォンに対応したこと(関連記事:ブライトコーブ、スマートフォン向け動画配信ソリューションを提供)。すでに同社のシステムを採用している企業などは、コンテンツを作り直すことなく、スマートフォンへの動画配信が可能になる。もう1つは電子書籍の話題が多く登場していること。iPadの発売以来、電子書籍への注目が高まっていることが浮き彫りになってきた(関連記事:iPad効果? 国内でも電子書籍を取り巻く動きが急加速)。

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