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[2011年第26週]震災復旧策や節電対策が続々、Edyがauケータイでチャージ可能に、みまもりケータイは基本料無料キャンペーン

2011.07.04

Updated by Naohisa Iwamoto on July 4, 2011, 11:30 am JST

記録的猛暑になった6月が終わり、夏が本格化する7月が入った。東京電力と東北電力管内では電力不足に対応するために、大口の利用者に対して昨夏のピーク時より15%の節電が要求されている。通信事業者各社も震災復興や災害対策、さらに節電対策の動きを進めている。

震災対応は新しいステージに

201107041130-1.jpg直接的な被害からの復興を示す話題として、災害用伝言板の終了のニュースがあった。携帯電話・PHS事業者各社は、東日本大震災の発生に伴い提供していた「災害用伝言板」の運用を6月30日いっぱいで終了した。大震災発生から100日以上が過ぎ、利用件数が落ち着いてきていることから運用を終了する(関連記事:携帯電話・PHS各社、東日本大震災の災害用伝言板を6月30日で停止

同じく復旧状況を伝えるニュースとして、KDDIが東日本大震災により被害を受けた地域のau携帯電話のサービスエリアを、6月30日までに震災前と同等の品質まで復旧させたというものがあった。福島原発制限地域は除くが、岩手・宮城・福島の各県で元のサービスエリアを回復したことで、災害からの復旧工程としては1つの区切りを迎えた。KDDIでは次の一手として、災害時の影響を低減して迅速なエリア復旧のための方策を併せて公表した。移動用電源車と非常用発電機の配備を130台に増強(現在は55台)したり、2012年度末までに約2000の基地局のバッテリーを24時間化したりする(関連記事:au携帯電話が震災前のエリアまで復旧、基地局24時間化などの方策も公表)。

201107041130-2.jpg継続した支援への動きもあった。ソフトバンクモバイルは、東日本大震災の被災地支援を継続的に行うための施策として「チャリティホワイト」を開始すると発表した。基本使用料に定額料をプラスして寄付する。加入した利用者が毎月10円の定額料を支払うと、ソフトバンクモバイルが1加入あたり同額の10円を拠出し、合計20円を寄付する仕組みである。受け付け期間は2011年8月1日〜2013年3月31日となる(関連記事:ソフトバンク、毎月10円を継続的に寄付できる「チャリティホワイト」)。

家庭の節電を通信事業者がどのように支援できるか。1つの試みとしてNTTドコモは、家庭の消費電力をモニタリングすることで省エネ活動を支援する「ドコモ省エネ応援サービス」を試験提供する。8月1日から10月31日の3カ月にわたって、1000世帯に対して提供する。ドコモが貸し出す専用の電源タップ「スマートタップ」と、インターネットへの中継器を使い、電源プラグを差し込んだ機器の消費電力の情報を 「エネルギーマネジメントのためのクラウド型システム」に送信。パソコンや携帯電話から専用のWebサイトにアクセスすることで消費電力の情報を確認できる(関連記事:ケータイで家の消費電力を確認!--NTTドコモが1000世帯で試験サービス)。

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電子マネーとスマートフォンがより接近

201107041130-3.jpgスマートフォン隆盛の時代になって、電子マネー利用をスマートフォンに誘導する動きが進んでいる。その1つが「Edyのチャージをクレジットカードなしで簡単にできる」というKDDIと楽天の提携だ。au携帯電話の料金とまとめて、Edyのチャージ料金を支払えるようになるため、クレジットカードを持たない未成年などでもEdyが使いやすくなる。8月4日にサービス提供を開始し、オートチャージも9月27日から提供する。両社は、今後ユーザー拡大を強力に推進するとともに、決済にとどまらないビジネスモデルを構築するとしている(関連記事:KDDIと楽天がEdyを軸に業務提携、Edyチャージをauかんたん決済で

交通系電子マネーのSuicaも、スマートフォンでの利用が始まる。東日本旅客鉄道(JR東日本)は、7月23日に開始するモバイルSuicaのスマートフォン対応で、利用できる機種の最新情報を発表した。6月30日時点ではMVNOも含めて、NTTドコモが5機種、KDDIが12機種、ソフトバンクモバイルが5機種となる(関連記事:7月23日開始のスマートフォンのモバイルSuica対応機種を公表)。

さらにスマートフォンの利用範囲が広がる

201107041130-4.jpgスマートフォンの情報を印刷するサービスが新たにシャープからも登場した。Android搭載スマートフォンなどからコンビニエンスストア店頭の複合機でプリントアウトできるサービスで、6月29日に提供を始めた。新サービスは「ネットワークプリント」の名称で、パソコンやスマートフォンに保存した写真や文書を、インタネット経由でサークルK・サンクスの複合機から出力できる。Android搭載スマートフォンで利用する場合はアプリが必要で、シャープ製のAndroid端末から順次対応を進めていく(関連記事:シャープ、Android端末からサークルK・サンクスでプリントできるサービス)。

教育分野での試みもある。香川大学と富士通は、特別な支援が必要な子供たちの生活の質(QOL)を向上させるために、スマートフォンを使った生活・学習支援の共同研究を始めたことを発表した。豊かな視覚的な表現や直感的な操作ができるスマートフォンの特性を生かして、子供たちを支援する。例えば、喜怒哀楽やその強弱を画面上のスライダーで調整して、自分の感情をキャラクターの表情として表現するソフトウエアなどを使った支援の研究を進める(関連記事:スマートフォンで要支援の子供たちのQOL向上へ、香川大学と富士通が研究)。

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キャリアーのサービスも拡充

201107041130-5.jpgKDDIは、公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」の提供を6月30日に開始した。auスマートフォンから無料で利用できるサービスで、専用アプリを使って接続する。対象となるのは、auスマートフォンの利用者のうちパケット定額サービス「ISフラット」または「プランF (IS) シンプル/プランF (IS)」を契約している場合である。2012年度末までに国内最大級となる10万スポットの構築を目指す公衆無線LANサービスが、追加料金なしで利用できる(関連記事:KDDIの「au Wi-Fi SPOT」が6月30日からサービス開始

ソフトバンクモバイルは、GPS機能と防犯ブザーを備えた「みまもりケータイ」について、25カ月にわたって無料で利用できるキャンペーンや法人向けのサービスを提供すると発表した。基本料無料キャンペーンは、「みまもりケータイ SoftBank 005Z」を対象としたもので、初回から25カ月間の基本使用料である月額490円が無料になる。一方、法人向けのサービスとしては、複数のみまもりケータイの位置を検索できる「法人見守り管理サービス」を8月1日から提供する(関連記事:ソフトバンク、「みまもりケータイ」の基本料無料キャンペーンや法人向けサービスを展開)。

キャリアーの国際展開が続々

201107041130-6.jpgNTTドコモはグローバルなサービスを2つ発表している。1つは、携帯電話による海外向け送金が可能なサービス「docomo Money Transfer」を7月7日に開始すること。ケータイからケータイへの海外送金も、国内携帯電話事業者として初めて可能にする。サービス提供当初の送金先は、フィリピン、ブラジル、韓国、中国。サービスはiモード携帯電話から開始し、その後順次スマートフォンにも展開していく(関連記事:NTTドコモ、海外へケータイだけで送金できるサービスを7月7日に開始)。

もう1つは、米国子会社のNTT DOCOMO USA(ドコモUSA)が、米国で提供している携帯電話サービス「DOCOMO USA Wireless」の国際ローミング対地を拡大したこと。国際ローミングできるのは日本とカナダの2カ国だったが、7月1日からブラジル、メキシコ、香港など47の国と地域を追加し、合計49の国と地域へと対地を拡大した(関連記事:ドコモUSA、米在住邦人向け携帯サービスの国際ローミング対地を大幅拡大)。

また、KDDIは国際ローミングサービスの利用を支援するため、スマートフォン向け専用アプリの提供や海外通信事業者の追加、無料充電サービスの拠点数拡大などの方策を発表した。スマートフォン向けのアプリは6月29日に提供を開始。海外の無料充電サービスは、7月1日からJCBの海外サービス窓口「JCBプラザ」「JCBプラザ ラウンジ」の全60拠点で提供することになった(関連記事:KDDIも国際ローミング支援のアプリ提供や無料充電サービス強化)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。