「京」首位陥落 - IBM製スパコンが世界最速王座に
2012.06.19
Updated by WirelessWire News編集部 on June 19, 2012, 11:13 am JST
2012.06.19
Updated by WirelessWire News編集部 on June 19, 2012, 11:13 am JST
IBMが開発したスーパーコンピューターが、米国時間18日に発表された最新のスパコン性能ランキング「TOP 500」で1位になったことが明らかになった。
新たなランキングで首位に立ったのは、同社がローレンス・リバーモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)に納入した通称「セコイア」(Sequoia)と呼ばれるコンピュータで、157万2864個のプロセッサコアをもつ同システムは「リンパック」(Linpack)ベンチマークで16.32ペタフロップスを記録。米国産スパコンが首位の座につくのは、2009年11月以来となる。
2位には、昨年6月から首位の座にあった日本の「京」(理化学研究所にある富士通製システム)が10.51ペタフロップスでランクイン。その他、トップ10には2010年に1位をとった中国の国防科学技術大の「大河1号A」(Tianjin-1A)を含む2台の中国製スパコンもランクインしている。
セコイアは処理能力に加えて、電力効率の高さも注目を集めているという。Ars Technicaによれば、セコイアの最大消費電力は7890キロワットで、2位になった京の1万2659キロワットに比べて約半分強の電力で済むという。
また、トップ500のメーカー内訳では、42.6%にあたる213台のスパコンがIBM製、これに続いて27.6%(138台)がヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)製であった。搭載チップに関しては、74.4%がインテル製チップを利用し、12.6%がAMD製チップを利用していた。
世界最速のスパコン開発は、各国の技術レベルを示すもののひとつとされ、また国防やエネルギー関連、科学など、国益が関わる各分野の活動に影響を及ぼすといわれている。また、民生用のスパコンは、新薬の開発や、石油やガスなどの天然資源の探索、金融商品の取引などさまざまな用途で利用されている。
【参照情報】
・http://gigaom.com/cloud/ibm-supercomputer-claims-the-lead-on-top-500-list/ - GigaOM
・With 16 petaflops and 1.6M cores, DOE supercomputer is world's fastest - Ars Technica
・IBM Computer Sets Speed Record -
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