アマゾンも地図分野を強化 - 3Dマッピング技術の開発企業買収へ(GigaOM報道)
2012.07.03
Updated by WirelessWire News編集部 on July 3, 2012, 09:54 am JST
2012.07.03
Updated by WirelessWire News編集部 on July 3, 2012, 09:54 am JST
アマゾンが、3Dマッピング技術を開発するベンチャー企業、アップネクスト(UpNext)を買収することで同社と合意したと、GigaOMが米国時間2日に伝えている。
[UpNext ]
アップネクストは2007年に創業されたニューヨーク拠点のベンチャー企業。同社は、AndroidタブレットやiOS端末向けに3Dマップやソーシャル機能を備える5つのアプリを提供しており、米国内50都市の情報をすでにカバーしているという。また、NFLと提携しており、スーパーボウルのゲームが開催されるスタジアムや周辺エリアなどのガイドも開発している。同社は2011年に50万ドルの資金をVCから調達していたが、今回の買収で投資家らはこの金額の5倍程度のリターンを得るのではないかという話がGigaOMでは紹介されている。
すでに独自の地図を所有しているグーグル(Google)やアップル(Apple)、マイクロソフト・ノキア連合などに対して、アマゾンは現在自社の地図関連技術を保有していない。このため、同社のタブレット端末「Kindle Fire」のユーザーは、いまのところ地図情報の取得にはサードパーティのアプリを利用している状態。なお、Search Engine Landによると、アマゾンがKindle Fireユーザー向けに運営売るAppstoreでは、いまのところ「Google Maps」アプリは提供されておらず、代わりにノキアの地図アプリ、ならびにAOLが保有するMapQuestのアプリのみがダウンロードできる状態だという。
アップルが次期iOSの目玉のひとつとして、「Siri」などと連携する自社の技術を提供する計画であることは既報の通り。またグーグルでもこれに対応する動きを見せている。ただし現在のところ、グーグルやアップルなどに競合するためにはアップネクストの提供するマップ情報では不十分であることから、アマゾンが今後さらにこの分野の企業買収など強化の動きを強めていく可能性があるとの指摘もみられる。
地図関連の技術は、今後拡大が見込まれるローカル広告市場や、オフライン(リアル)の商取引に関する情報提供に際して中核となるもの。また、すでにオンラインでは「マーケットプレイス」を開設し、サードパーティによる商品販売の仲介サービスも定着させているアマゾンとしては、地図技術を利用することで、これをオフラインの世界まで広げる可能性も考えられる。
【参照情報】
・Exclusive: Amazon buys 3D mapping startup UpNext - GigaOM
・Amazon Buys UpNext, Will We Soon See Kindle Maps? - Search Engine Land
・Report: Amazon Acquires 3D Maps Startup UpNext - PC Magazine
・アップル、新たな地図サービスにイェルプ(Yelp)統合を計画 - 地図上からチェックイン可能に
・グーグル、「Google マップ」「Google Earth」を刷新へ - 3D地図がアップルとの一大争点に
・【動画】ノキア関連のとてもキュートなビデオ3つ
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