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インドネシア、2015年Q1スマートフォンのシェアは55%

Smartphone is turning into big business in Indonesia

2015.07.10

Updated by Hitoshi Sato on July 10, 2015, 18:56 pm JST

2015年第1四半期でインドネシアにおけるスマートフォンのシェアが55%になった。出荷されるスマートフォンのうち50ドルから100ドル程度の低価格なスマートフォン端末が半数以上を占めている。そして35%がインドネシアの地場メーカーのスマートフォンであり、インドネシア市場での地場メーカーの台頭が伺える。これは規制当局がインドネシアで販売する4G端末には国内で部品を活用したり、生産するようにとの規制を出していることから、中国や韓国のグローバルメーカーも次々とインドネシアに工場建設を進めている。LTE端末の出荷は前年同期比と比較すると150%以上増加しているが、同国でLTEの利用者はまだほとんどいない。

携帯電話全体の出荷を見ると、まだ3位にマイクロソフトがランクインしているが、これはかつてのNokiaの名残である。フィーチャーフォンが全盛だった頃、インドネシアではNokiaが大人気だった。Nokiaはマイクロソフトに買収されてからもインドネシアでフィーチャーフォンやスマートフォンの販売をしている。それでもシェアは大きく減少している。同社の提供しているスマートフォンは決して安くないことから、インドネシア市場では人気がない。今後もマイクロソフト(Nokia)がインドネシア市場で大きくシェアを回復するとは考えにくい。

携帯電話、スマートフォン出荷ともにサムスンがまだ1位である。2014年Q4に比べるとシェアが少しだが増加している。インドネシアで端末が売れるのはラマダン明けの7月(Q3)とクリスマスセールの12月(Q4)であるから、サムスンのシェア微増をQ1だけでは判断できない。

これからもますますインドネシアではスマートフォンの比率は増加していくことは間違いない。それに伴って、地場メーカーもますます台頭してくるだろう。人口2億5,000万人以上のインドネシア市場を巡って、まだこれからもメーカー間での激しい競争が繰り返されていく。

 

▼インドネシアにおける携帯電話端末のメーカー別出荷シェア
20150711-sato-1
(Counterpoint発表資料を元に作成)

▼インドネシアにおけるスマートフォンのメーカー別出荷シェア
20150711-sato-2
(Counterpoint発表資料を元に作成)

 

【参照情報】
Indonesia’s smartphone market jumps 55% in Q1 

 

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。