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[2015年第37週]iPhoneもiPadも新型が発表、ビッグローブがM2M向け新プラン、個人向けは値下げ

2015.09.15

Updated by Naohisa Iwamoto on September 15, 2015, 14:06 pm JST

9月のこの時期に、恒例となった新型iPhoneの発表。取り扱うキャリアの本体価格設定、キャンペーン施策などでバタバタする一週間が過ぎた。新型iPhoneの発表に関連して、新型iPadの国内発売、データ通信サービスの高速化などの発表も相次いでいる。MVNOではビッグローブが法人向け、個人向けともに新しい施策を発表した。

2015年も繰り返すiPhone狂騒曲

iPhone 6s/6s Plusのニュースを時系列で確認しておこう。

まずアップルは日本時間の2015年9月10日(米国時間9月9日)、新型のiPhoneである「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」を発表した。4.7インチディスプレイを搭載する「iPhone 6s」と、5.5インチディスプレイを搭載する「iPhone 6s Plus」というラインアップで、タッチの深さを検知する「3D Touch」、4K撮影が可能になったiSightカメラ、高速化したCPUやLTE-Advancedへの対応など、機能・性能を向上させた。

国内では、SIMロックフリー端末を発売するアップルと、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3台キャリアが、9月12日午後4時1分に予約受付を開始、9月25日に発売することをアナウンスした(関連記事:アップルのiPhone 6s/6s Plusは9月12日に予約開始、25日に発売、大手キャリア3社も同時に発売

9月11日、KDDIは新たな料金プランとiPhone 6s、iPhone 6s Plus購入者向けのキャンペーンを発表した。

新たな料金プランとして発表された「スーパーカケホ」は、基本料金2700円で通話24時間無料の「カケホ」対して、無料通話を「5分以内の通話(家族割対象回線同士の通話は時間制限なし)」に限定する代わりに基本料金を1000円安い1700円とするものだ(関連記事:iPhone 6s、iPhone 6s Plus発売に合わせて「スーパーな贈り物」KDDIが新たな施策を発表

端末の本体価格発表で先陣を切ったのはソフトバンクだった。ソフトバンクは9月11日夜に、翌9月12日に予約受け付けを開始するiPhone 6s、iPhone 6s Plusについて、本体価格と割引施策を発表した。MNPまたは新規で契約する場合、iPhone 6sが実質負担額648円(税込、以下同様)/月から、iPhone 6s Plusが実質負担額1188円/月から。

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また、スマートフォン向け基本プランに、月額1700円で5分以内の国内音声通話が回数制限なく利用できるスマ放題ライト「通話し放題ライトプラン」を追加することもアナウンスし、KDDIの「スーパーカケホ」を追随する形となった(関連記事:ソフトバンクが新iPhoneの予約開始前日に本体価格を発表、基本料金が安くなる「スマ放題ライト」も)。

予約開始の当日となる9月12日の7時、KDDIはiPhone 6sとiPhone 6s Plusの本体価格を発表した。MNPまたは新規で契約する場合、iPhone 6sが実質負担額670円/月から、iPhone 6s Plusが実質負担額1205円/月から(関連記事:KDDIがiPhone 6s /6s Plusの本体価格を発表)。

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9月12日の10時30分、残るNTTドコモもiPhone 6s、iPhone 6s Plusの本体価格と割引施策を発表した。MNPで契約する場合の実質負担額はiPhone 6sが月額432円から、iPhone 6s Plusでは月額972円からとなる(関連記事:ドコモもiPhone 6s / 6s Plusの本体価格発表、「ドコモにチェンジ割」などキャンペーン施策発表)。

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各社のiPhone 6sとiPhone 6s Plusの価格についての一覧表と、キャンペーン情報をまとめた記事がこちら(関連記事:iPhone 6s / iPhone 6s Plus 価格・キャンペーン情報まとめ)。

薄く軽くなったiPad mini 4、ドコモは262.5Mbpsへ高速化

iPhone 6sの話題に隠れがちだが、アップルと大手3キャリアは小型タブレット「iPad mini 4」の発売もアナウンスしている。iPad mini 4は、7.9インチのRetinaディスプレイを搭載。6.1mmと前モデルよりも18%薄く、Wi-Fiモデルでは298.8gと300gを切った。

アップルでは、Wi-Fiモデルを4万2800円(16GB、税抜き)から、Wi-Fi+Cellularモデルを5万6800円(同)から販売する。大手3キャリアもiPad mini 4の発売をアナウンス。Wi-Fi+Cellularモデルの場合は、3キャリアとも毎月のサポート割引などと相殺することで、16GBモデルが実質0円で手に入る料金設定をしている(関連記事:iPad mini 4(アップル)、au、「iPad mini 4」発売に関するお知らせ(KDDI))。

iPhone 6s/6s Plusで利用できる新サービスのアナウンスもあった。NTTドコモは、LTE-Advancedの技術を用いた高速データ通信サービス「PREMIUM 4G」を、国内最速となる受信時最大262.5Mbpsへ高速化する。これまでは受信時最大225Mbpsのサービスとして提供していた(関連記事:ドコモ、PREMIUM 4Gを最大262.5Mbpsに高速化、iPhone 6s/6s Plusが対象)。

事前のユーザー調査の結果も公表された。MMD研究所は、iPhone 6s/6s Plusの発表を前にして新iPhoneの購入意向などを尋ねる調査を行い、その結果を発表している。新iPhoneに興味があるかどうかを尋ねたところ、「興味がある」が22.1%、「やや興味がある」が21.7%で、回答者の43.8%が新iPhoneに興味があるという結果だった。

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さらに、購入意向について尋ねたところ、「購入したいと思う」が12.6%、「やや購入したいと思う」が17.8%で、回答者の30.4%が購入に前向きな姿勢を示した(関連記事:新iPhoneは約3割が購入意向、購入希望者のうち発売当日購入予定は15%--MMD研究所)。

ビッグローブはM2Mプラン提供や値下げ、IIJはセキュリティ対策

MVNOの動きなど、他のトピックも紹介する。

ビッグローブは、法人を対象とする「M2M向けモバイル通信サービス」に新プランを2種類投入する。防犯カメラなどの映像のアップロードが中心の用途に向けた「上り高速プラン」と、少量データを多数の機器で利用する用途に向けた「帯域契約プラン」だ。

上り高速プランは、上りは最大50Mbpsと高速ながら下りを最大256kbpsに制限することで、月間10GBまでプランで月額1500円の低料金に抑えた。10GBのほか、20GB(月額2200円)、30GB(同2750円)、40GB(同3250円)を用意する。帯域契約プランは、M2M専用回線として、上り1Mbps単位、下り256kbps単位の帯域で契約できる。上り1Mbpsの場合、下り256kbpsで月額25万円、追加帯域として上りの1Mbps当たり10万円の追加となる。下り512kbps、768kbps、1Mbpsも用意する。M2MやIoTで多量の端末からデータを収集するようなケースが今後増加することが見込まれ、そうした用途で有効に活用できるプランだといえる(報道発表資料:BIGLOBE 「M2M向けモバイル通信サービス」で新プランを9月15日より提供)。

個人向けでもビッグローブはサービス強化を実施する。同社のいわゆる格安SIMサービスの「BIGLOBE SIM」への乗り換え促進を目的としたサービス強化で、音声通話SIMで最も安価な「音声通話スタートプラン」(月間データ容量1GB)の場合に月額1600円から同1400円へ引き下げなど月額料金を値下げするほか、データ通信量を家族で分け合えるサービスや通話パックの提供、不通期間をほとんど発生させずにMNP(携帯電話番号ポータビリティ)を実施できるサービスを提供する(関連記事:ビッグローブが「BIGLOBE SIM」を強化、月額料金引き下げや通話パック提供へ)。

セキュリティ面からのサービス強化が、インターネットイニシアティブ(IIJ)のアナウンス。同社が提供するいわゆる格安SIMの「IIJmio高速モバイル/Dサービス」に、セキュリティ対策アプリを月額課金で利用できる「モバイルオプション」を追加する。ウイルス対策やフィルタリング、迷惑電話拒否などのラインアップを用意し、9月16日に提供を開始する(関連記事:IIJmioにウイルス対策やフィルタリング、迷惑電話拒否など安全オプションを追加)。

最後に、情報ツールの使い方の模索のトピックを紹介する。日本マイクロソフトとインテルは、ゴルフトーナメントの現地観戦者向けにタブレット貸出を行い、新しいコンテンツを提供する。

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コース内各ホールに設置した合計35台から40台のカメラの映像などの情報を専用アプリで提供する。専用アプリで提供されるコンテンツは合計5チャンネルのストリーミング生中継、試合を実況するテキスト配信、トーナメント表、出場選手情報、コースの情報など(関連記事:ゴルフトーナメントの現地観戦をタブレットで支援、日本マイクロソフトとインテルが提供)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。