中国バイドゥが自動運転車の走行実験 - 公共交通機関への利用などを視野に
2015.12.11
Updated by WirelessWire News編集部 on December 11, 2015, 12:46 pm JST
2015.12.11
Updated by WirelessWire News編集部 on December 11, 2015, 12:46 pm JST
中国検索大手のバイドゥ(Baidu)が、自動運転車を開発する新たな部門の立ち上げを進めており、公共シャトルサービスなどへの利用を想定した自動運転車を早ければ3年以内にも中国市場に投入したい考えを明らかにしたと、WSJなど複数の媒体が米国時間9日に報じている。
WSJでは、バイドゥ幹部のワン・ジン(Wang Jing)氏の話として、同社が北京郊外の高速道路を使って、「BMW 3」シリーズの自動車をベースにした2種類の自動運転車の実験を進めてきていることや、将来的には都市部で決まったルートを走る公共のシャトルサービス向けに自動運転車を提供する考えであることなどを報じている。
バイドゥは検索技術関連で詳細な地図データを保有し、今年はじめにはノキア(Nokia)が売りに出していた「HERE」事業の買収に関心を示しているとする話も一時流れていた。また同社は数年前にシリコンバレーにAI(人工知能)関連のR&D拠点を設け、昨年には「ディープラーニング」の研究者として知られる元グーグル(Google)のアンドリュー・ウン(Andrew Ng)を責任者として迎え入れたことも話題になっていた。
WSJによれば、バイドゥの自動運転車には、同社の保有する詳細な地図情報とディープラーニング技術が使われているという。またBloombergでは、バイドゥの自動運転車が、右折や左折のほか、Uターンや車線変更、高速道路での合流など、より複雑な動作のテストも行っているほか、最高時速100kmでの自動運転も行っているなどとしている。
中国の交通事情について、バイドゥのワン氏は「ドライバーや歩行者、自転車利用者などの行動が予想できない場合がしばしばあり、米国とは全く異なる」と説明。「こういった交通事情にも対応できる自動運転車を開発している」とWSJに説明している。
バイドゥは今後、街中の大通りや狭い道路、あるいは雨や雪などの悪状況での実験を進めるとみられるが、ただし中国には現時点で自転運転車を規制する法律が存在ないため、バイドゥはこの立法に関しても当局に働かきかける必要があるという。
自動運転車の分野では、既存の自動車メーカー各社のほか、グーグル(Google)やテスラ(Tesla)、ユーバー(Uber)など多数の企業が開発を進めている。また最近では、サムスン(Samsung)が自動運転車向けの新事業を立ち上げ、同分野向けのチップ類やソフトウェアの開発を進める計画を明らかにしていた。
【参照情報】
・Baidu Joins Race to Build Autonomous Cars - WSJ
・Self-Driving Car Project Reaches Test Milestone, Baidu Says - Bloomberg
・China's Baidu heats up the road with its own self-driving car - CNET
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