Sandvine ソリューションによる利益保護・データ最適化・マネタイズ-Du社の事例
2018.10.05
Updated by 特集:トラフィック可視化で変わるネットワークの姿 on October 5, 2018, 06:36 am JST Sponsored by Sandvine
2018.10.05
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UAEのテレコムオペレーターであるdu社では、DPIをさまざまに活用しています。du社のSyed Hasnain氏が、同社におけるユースケースを紹介しました。
▼Senior Manager Internet & Data Services Planning Operations, du Syed Hasnain
UAEのテレコムマーケットは、西アジアで最も成長著しい市場です。モバイル加入者数は1740万件あり、duとEtisalatの2社のオペレーターが事業を展開しています。
du社は2005年に創業し、2016年の売上は34億米ドルほどとなっています。モバイル加入者数は930万件、マーケットシェアは45.9%となっています。
du社でDPIの本格的な活用を開始したのは2005年です。2009年から2012年までは、トラフィックコントローラーと、ポリシー制御ノードの実装に活用していました。2012年から2016年までは、新しい付加価値サービスとして、PCEFの実装とトラフィック分析をしています。そしていまや、Sandvineのソリューションはビッグデータのプラットフォームとして、大きな役割を果たしています。
我々は様々な用途に本ソリューションを使用しています。リアルタイムのデータ可視化は、ネットワークで何が起こっているか、何が問題なのかを明らかにしてくれます。アナリティクスはとても強力です。カスタマーカウンター、トラフィックマネジメント、カスタマーケア、レベニュープロテクション(ゼロ課金などにおける不正トラフィックの検出)も重要です。OTTサービスやVoIPサービスの法的規制への対応を目的としたパラメーター管理にも利用しています。Wi-Fiサービスや課金にも利用しています。
より詳しくユースケースを紹介していきます。1つめの事例は、ゼロ課金における利益保証です。オペレーターにとって、「ゼロ課金」はお客様を増やすために有効なプランです。2ドル、3ドル、8ドルといった低額の固定料金で、特定のアプリケーションの通信を使い放題にできる「ソーシャルバンドルプラン」が提供されており、多くのユーザーが利用しています。
これに対して従来は、DNSベースやベーシックなURLベースのホワイトリストなどの初歩的なコントロール手段しか持っておらず、容易にバイパスすることが可能でした。偽のDNSサーバーや偽の証明書などを利用して、FacebookやWhats Upなどのゼロ課金のアプリのふりをして他のアプリを利用する不正が横行しており、利益が損なわれていました。
問題の対策にはいくつかの課題がありました。まず一つめはシグニチャに係わるものです。ドバイで多くの人が使用しているIMOというメッセージングアプリは、毎週シグニチュアを更新しています。以前はこれに対応できず頻繁にアプリがブロックされてしまっており、顧客からのクレームや解約につながっていました。Sandvineの協力により調査を進め、対応が可能になりました。
シグニチャによる制御だけでは不十分な事例もあります。WhatsUpでは、音声通話機能とメッセージング機能で同一のシグニチュアを利用しています。そのため、例えば音声通話だけをブロックしてメッセージングを利用可能にしようとしても、シグニチャベースのコントロールでは両方をブロックすることになってしまいます。WhatsUpは非常にユーザー数が多いアプリであり、メッセージングサービスが使えないとなれば解約につながりかねません。カスタマーサービスにも大量の苦情の電話が殺到し、対応できなければ「つながらないカスタマーサービス」としてまた不満を生みます。
オペレーターがゼロ課金を実行する場合、こうしたリスクはつきものです。我々とSandvineのチームは、シグニチャのアプローチだけではなく、代替策としてSSL認証の検証、BGP、ヒューリスティックアプローチを取り入れました。また現在は専任の開発チームがおり、適正なトラフィックの分類に取り組んでいます。
Facebook、LinkedIn、Viberなどのふりをして別の通信を行う「Fake Traffic」検出も、解決すべき課題の一つでした。インドなどでも同様の課題が発生していると聞いています。Sandvineのソリューションによって、Facebookトラフィックとして扱っていてゼロ課金にしていたトラフィックが、実際は異なるトラフィックだったことがわかりました。Facebookの認証を通さず別のURLに接続していたり、VPNの接続に利用していることがリアルタイムに可視化されたのです。
VoIPトラフィックが正しく検出されていない問題もありました。不正利用の検出のために、時系列のトレンド分析を行いました。全てのアプリにはネットワーク利用トレンドがあり、ユーザーごとに月単位で見ればそれほど大きな変動はないのが普通です。なので、突然あるユーザーのViberのトラフィックが前月から400%増えれば、なぜ増えたかを検証する必要があります。Sandvineのソリューションでは、シグニチュアで分類する前に、時系列トレンドによってVoIPを検出する仕組みを実装しました。これにより、パケットにフラグを立て、トラフィックを分類しなおして正しいトラフィックかどうかを判断しました。こうして、Fake Trafficによる損失を防ぐことができるようになりました。
次のユースケースはビデオのオプティマイゼーションです。インターネットユーザーの多くががYoutubeでビデオを見ており、かなりの帯域を使っています。帯域をへらすためには、ビデオの解像度を減らすことが効果的です。480pの解像度の動画は、1080pの解像度の動画に比べて69.1%、720pに比べて45%もデータ量を削減できます。
Sandvineは、加入者の端末の情報から、ハンドセットにターゲットを絞って、推定をしながら帯域を制御します。画面が小さければ動画の解像度を下げてもエクスペリエンスは同じです。そうであれば、解像度は小さいほうがデータトラフィックは少なくなります。多くのユーザーはデータ上限量のあるプランを使用しているので、ユーザーにとってもその方が望ましいことになります。
あるケースの試算では、720pのビデオをそのままストリームした時のデータ量は13MB/分ですが、新しいポリシーを適用した場合7.16MB/分でした。月に3GBをYoutubeのストリーミングに使用しているユーザーであれば、720pをそのまま見ていると月に230分しか動画は見られませんが、新しいポリシーで419分と2倍近くの長さの動画を見ることができます。オペレーターにもコンシューマーにもWin-Winの関係になります。
アプリの帯域制御によって、他のアプリへの影響を減らすことができます。多くのユーザーがYoutubeを見ていると、メッセージングアプリなど他のアプリでディレイが発生する場合があります。帯域制御によってアプリケーション間のバランスをとることができるのです。
最後に紹介するユースケースは、データの収益化です。ショッピングサイトのURLに対して、どのような検索をされているかをDPIで知ることができます。デバイス別の検索キーワードや、メーカー、商品カテゴリーなどのキーワードから、ドリルダウンして個別の商品名別の検索回数を調べることもできます。どのような検索フレーズが使われているかもわかります。
従来であればこうした情報は、サイトオーナーからしか入手できませんでしたが、DPIを利用すればオペレーターにという第三者による情報の可視化が可能になります。また、ユーザーがどういうアプリケーションを使っているかもわかるので、そこからも収益を得ることができるようになります。
du社における様々なユースケースのうち、利益保証、トラフィック最適化、収益化について紹介しました。ユースケースはこれ以外にも様々あり、国毎の規制によりできる事、できない事があるかもしれませんが、オペレータにとって有益な、且つ競争やコストダウンに向けて必須の技術となっています。
【関連情報】
ネットワークインテリジェントを提供する サンドバイン
メールでのお問い合わせはこちらまで japansales@sandvine.com
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