「物」と「もの」 科学というのは、基本的に唯物論です。その知的系譜は、歴史的に見れば、デカルトの所論に行き着くと私は考えています。急いで付け加えますが、勿論デカルトが「唯物論者」だというわけではありません。デカルトの所論 […]
2026.06.22
胎児は「人間」ではない 前項で生者と死者との関係に関して、幾つかの論点を指摘しました。本稿では、「ヒト」の定義に絡む生と死を考えてみたいと思います。と言っても、生物学的な「ヒト」の定義は「ホモ・サピエンス」という種の定義 […]
2026.06.08
彼の世と此の世とを繋いで 人並より少し長く生きてきた人間(令和八年の日本人男性の平均寿命は八十一歳強となっている、ちなみに女性は八十七歳強で、この数字は世界一とされています)が、その生涯のなかで死と遭遇した事例を、いくつ […]
2026.05.25
三つの死、涙に暮れることなく 九十年近く生きていると、色々な死に出会ってきました。これまでにも書いてきたことと重なるところもありますが、その中の幾つかを振り返ってみることにします。 生まれて初めて出会った死は、第二項で触 […]
2026.05.11
私立小学校に通って、キリスト教に馴染む これまでの記述のように、私は、小学低学年のとき、そして高校三年から浪人生活を経て大学生になる頃の二回、死の淵を見るような経験をしました。しかし、そこでも書きましたように、一つには若 […]
2026.04.20
公職追放、卵でいのちを繫ぐ 敗戦は先ず何を齎したか。海軍軍医大佐だった父親は、当初厚生省(現厚生労働省)の公衆衛生局勤務に配置換えになりました。つまり差し当たっての職業は確保されたのです。しかし、それは束の間でした。敗戦 […]
2026.04.06
「重陽の節句」に生まれて 生まれたのは、当時両親が借りていた東京、上原の借家、つまり自宅だったとのことです。「院内誕生」などということがおよそ考えられない時代です。昭和十一(一九三六)年まだ夏の厳しい暑さが残る九月七日、 […]
2026.03.23
世界宗教と言われるユダヤ教、イスラム教、キリスト教が支配する地域において、信じる、信じないに関わらず、文化的伝統として誰もが前提としているこの物語を知ることは、それらの地域に生まれた文化遺産を理解する上で、決定的に重要なポイントとなる。その点で、宗教を離れても、文化の基盤となるエピソードが、様々に散りばめられている本書に接しておくことは、無駄ではない。
2025.08.18
書物『学問のすすめ』は、冒頭の最も著名な「初編」に始まり、第十七編「人望論」までを合本とし、さらに現在の岩波文庫本は、広く読者を獲得したこの自著に対して、後年福澤が書いた短い文章(『福澤全集』に収録)を「付録」として加え、小泉信三の「解題」、さらに校訂者としての昆野和七の「後記」を載せている。
2025.08.13
今では、政治家や文筆業の方々まで、日常的に使われる表現となった「パラダイム」<paradigm=英語>という語を、かくも流行らせた原点がこの書にあります。もともとは、古代ギリシャ語ですが、<para>つまり「一緒に」、「並んで」、<digm>「見せる」という熟語で、最も簡潔には「範例」という訳語が使われます。「模範」という漢語が運ぶ「優れた」、「立派な」というニュアンスはなく、「一つのグループに属するものを示す実例」といった感じの語です。
2025.07.12