漱石というと、国語の教科書などに取り上げられるのは、ほとんどの場合『こころ』のようです。実は、私にとって、漱石の小説のなかで、生涯繰り返し読むことに消極的な唯一のものが『こころ』なのです。
2020.06.05
高等教育を文系と理系に分ける、という制度上の仕組みは、日本ではすでに戦前からありました。旧制高等学校は、本来は大学予備門の役割を果たす組織として発足しました。つまり、今の高等学校と違って「高等教育に準じるもの」という位置づけであったことになります。
2020.05.26
かつて第二次世界大戦中のイギリスの首相ウィンストン・チャーチルは、「デモクラシーは最悪の政治形態である、ただし、過去折々に試されたすべての政治形態を除けば」という見事な警句を残しました。
2020.05.15
教養のあるなし、ということのなかに、知識のあるなしが、少なくともある程度含まれていることは、間違いありません。他書からの受け売りですが、ある翻訳書のなかに、「それはあたかも雪の中で聖ベルナルドゥスに出会った想いであった」という一文があったそうです。
2020.04.27
相手の正体が一向に判らないままに、日本は戦後初めて「非常時」を迎えている。すべての国民が、明日の自分の命を慮らなければならない事態である。
2020.04.23
これほど数多くの評伝・書評が重ねられてきた作品も少ないでしょう。ここでは、余り既成の研究を気にせずに、自分なりの読み方を披露することに徹したいと思います。
2019.10.28
比較的最近、ある大学の学生一五〇人ほどを相手にした臨時の授業で訊ねたところ、『三四郎』を読んだ人が一人もいなかったのには、名状しがたいショックを受けました。
2019.08.22
文化という言葉は、だれでも簡単に使います。もっとも、私たち日本語圏での「文化」の使い方には、幾つか違った流儀があるようです。最も日常的には、「文化包丁」とか「文化住宅」のように、「機能が進んでいる」状態を指す方法です。
2019.06.03
前回はエリートの原点とでも言うべき論点を考えてみました。今回は、教養ということになりますが、これは一筋縄ではいかない。そもそも「教養」という熟語は、漢語としては已に『後漢書』に現れると言いますが、文字通り「教え育てる」ことの意でありました。
2019.04.03