9月も2週目になってようやく秋らしい陽気が感じられるようになってきた。こうした中で、先週は携帯電話事業者を取り巻く大きなニュースが続出した。
2010.09.13
総務省は2010年9月8日、V-High帯を利用する携帯端末向けマルチメディア放送の特定基地局の開設計画について、電波監理審議会(電監審)から答申を受けた。答申では、申請していたNTTドコモ陣営のマルチメディア放送(mmbi)とKDDI陣営のメディアフロージャパン企画(MediaFLO)のうち、比較審査を行った結果マルチメディア放送を適当とした。
2010.09.10
インドの携帯電話加入者数は2010年6月末現在で6億3,550万人に達し、世界最大の成長率を誇る市場となっている。急速な普及の背景には、インド政府の規制緩和による外資企業の参入がある。都市部の通信サービスの普及率はすでに100%を超えており、農村部との格差が激しい。今後のインド携帯電話市場の成長は、農村部の加入者の増加によるものと期待される。
2010.09.09
ワイヤレス・ブロードバンド・サービスにWiMAXを使うことを表明してきたインド最大の通信事業者BSNLが、ここにきて国内の他のオペレータがすべてLTE採用に動いた場合に備えて、自らもLTE対応できるようなバックアップ・プランを持つことを決めたようだ。
ドイツテレコムが定額制LTEサービスの受付を開始した。また、ボーダフォン・ドイツも年内のLTEサービス開始と料金計画を発表している。両社ともブロードバンド・ギャップ(固定ブロードバンドが届いていない)の「地方部」からの展開となるのは、今年行われた4G周波数オークションで課せられた義務によるものだ。
2010.09.08
メキシコのFelipe Calderon大統領は、当初2021年までに予定されていた地上波テレビ放送のデジタル化を6年前倒しし、2012年までに700MHz帯のオークションを実施することを指示した。現在、寡占状況にある同国の携帯電話市場にも、外資系を含む多数のモバイル事業者の参入が見込まれる。
2010.09.07
インド政府は国家安全保障への懸念を理由に、グーグルやスカイプなどすべての通信サービス提供者に対して、顧客がやりとりする情報へのアクセスを可能にすることを求めていくという。
2010.09.06
米連邦通信委員会(FCC)は、米M2Z Networks社が計画していた無料ワイヤレスブロードバンド事業を認めないことを正式に同社に伝えた。M2Zの計画は、広告収入モデルで1Mbps以下の低速サービスを無償提供し、より高速な有料サービスと組み合わせて収益を得るもので、低所得者層や教育機関、地方自治体などから広く支持を集めていた。
ホワイトスペースとは、放送などの電波の隙間で利用されていない周波数のこと。ホワイトスペースを活用することで、新しいサービスなどへの展開が期待できる。具体的な利用法を検討するホワイトスペース特区の先行モデルとして、8月にTBSテレビやNHKなど10社11事業が決定している。
9月に入ってもなお、うだるような暑さが続く日本列島。2010年は、観測史上で最も暑い夏として記録されることになるようだ。ワイヤレス業界も気候に負けず劣らず暑い9月を迎えたようだ。こちらも振り返ると2010年がパラダイムシフトの年として記憶に残るのかもしれない。