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東京大学がMOOCプラットフォームのedXに参加、ハーバード大・MITと連携講座を2014年秋に開講

2014.02.19

Updated by Asako Itagaki on February 19, 2014, 09:01 am JST

2月18日、東京大学(以下東大)はMOOCプラットフォームのエデックス(edX)と配信協定を締結したことを発表した。東大、ハーバード大学、MITと協力して近現代の日本に関する連携講座シリーズ「ビジュアライジング・ジャパン(Visualizing Japan)」を開発して、2014年秋より順次提供する。

▼UTokyoX(edX内の東京大学のページ)
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連携講座では、ハーバード大学からはアンドルー・ゴードン(Andrew Gordon)教授、MITからはジョン・ダワー(John W. Dower)教授が講座を担当。東大からは、副学長である大学院情報学環 吉見俊哉教授 による「ビジュアライジング・ポストウォー・トーキョー Part 1・2(Visualizing Postwar Tokyo Part1・2)」の2講座を配信する予定。この講座の実施に関して、履修者の学習状況や成績の分布などの研究を進めるとともに、オンライン講座と対面授業を組み合わせる「反転授業」についても試行的実践と評価を行う。

また、東大は、今回の合意に伴い、MITの宮川繁教授を大学総合教育研究センター特任教授・オンライン教育担当ディレクターとして迎え、MOOC展開の体制整備を進める。宮川教授は、2003年から始まったMITのオープンコースウェアを先導してきた、オープンエデュケーションの第一人者。

東大は2013年9月よりコーセラ社(Coursera)のプラットフォームを利用して、英語でのMOOC配信の実証実験を行ってきている(関連記事)。今回のエデックスとの配信協定は、東大のMOOC提供の取組みをさらに発展させるためのもの。コーセラで配信した「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to Dark Energy)」「戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)」の2講座は、150か国から8万人以上が登録し、約5400人が修了している。2014年度は、これまでの2講座に加え、経済学分野、情報学分野の新規2講座をコーセラで開講する予定。

エデックスは、ハーバード大学とMITの出資によって2012年5月に設立されたNPO。2012年5月のサービス開始以来、31大学が140以上の講座を公開し、登録者数は約200万人以上にのぼる。日本の大学では京都大学が2013年から参加している。

【報道発表資料】
東京大学がハーバード大学・MITと協力したMOOCの展開に向け、edX(米国)と大規模公開オンライン講座(MOOC)配信に関する協定を締結

【関連URL】
UTokyoX(edX) edX内の東京大学のページ

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。