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プリペイド携帯の利用に見るお国事情

2010.09.13

Updated by WirelessWire News編集部 on September 13, 2010, 11:50 am JST

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(cc) Image by Anthony Majanlahti

日本では携帯電話といえば「月決め契約」が一般的だが、世界各国では、プリペイドサービスの利用が一般的だという。では、ユーザーはどのようにプリペイドサービスのお金を支払っているのだろうか。今日から始まった新コーナー「世界のモバイルライフ」で各国の状況をつぶやいていただいている皆さんにうかがってみた。

中国の場合、チャイナモバイル・チャイナユニコム・チャイナテレコムともに、プリペイドカードは一般的で、街中で気軽に入手できる。電車の駅や雑誌や飲料を販売している小売店で販売しており、空いている電話番号の一覧の中から好みの番号を注文できる。「一般的には縁起が良いとされている「8」や「5」が人気ですが、「6」や「9」なんかも意外かもしれませんが人気があります」とのことで、縁起を担ぐ中国人らしい。ただ、SIM購入時の実名登録制度が9月からはじまっており、今後状況は変わるかもしれないとのことだ。(中尾貴光さん

中東のドバイでも、プリペイド式が一般的で、「ポストペイド契約は、長期の在住者か会社から支給されているケースが多い」とのこと。海外からの駐在や出稼ぎ勤務が多いという、ドバイならではの事情があるそうだ。リチャージ用のカードは、電話会社のショップの他、スーパー、ガソリンスタンド、ショッピングモールなどで気軽に購入できる。(@clairebonchampsさん

ミラノでは、EDICOLA(雑誌などを売っている売店)、バール、地下鉄入り口のキオスク、各電話会社の販売店でプリペイドカードを購入する以外にも、銀行のATMを利用して口座からチャージしたり、バールで現金を払って、電話番号を伝えてチャージしてもらうこともできる。(@Petitpeuさん

ロンドンでは、なんと、格安スーパーで携帯料金もトップアップ(チャージ)した料金の2倍、3倍の出血大サービスをしてくれるという(もちろん、お店のサービスポイントもしっかりつく)。他にも、ニュースエージェント(雑誌やたばこなどを売っている売店)で現金払い、銀行のATM、オンラインや電話でクレジットカードやデビットカードでの支払いなど、さまざまな支払い方ができる。

英国のユーザーがプリペイドを選ぶ理由は、安いことが第一だが、携帯電話の盗難が多いこと、携帯会社の料金請求が信用できないというのも理由。「携帯会社のミスでとんでもない請求がクレジットカードにきて、クレジットヒストリーに傷がついた」というトラブルがしばしばゴシップ新聞で話題になるそうだ。会社員の場合は、企業の福利厚生として携帯電話料金を給与から天引きする制度があり、そちらを利用して後払いにしているケースが多い。(@May_Romaさん)

以前、世界のモバイル事情で「プリペイド比率が低く、高めの基本料金に多くの「無料通話」をつけるパッケージが基本」と紹介されたアメリカでも、最近は通話+SMS利用のみのユーザーを中心にプリペイド携帯の利用が増えている。チャージは、料金が切れる前にメールで通知が来るので、オンラインでクレジットカードを利用して行う。(弘恵ベイリーさん

他の方法としては、スーパーやドラッグストアの店頭でプリペイドカードを販売しており、現金払いを希望する人や、現金払いしかできない人(中南米からの不法移民などは銀行口座もクレジットカードも持てないのでそうするしかない)が購入している。そして実は、アメリカ最大のプリペイドMVNOであるTracfonは中南米最大の携帯キャリア持ち株グループ「アメリカ・モビル」の傘下にあるのだ。さすがカルロス・スリム氏は目の付け所が違う。(海部美知さん

ブラジルでも最近の携帯電話の急速な普及率上昇に伴い、プリペイド比率も急上昇している。プリペイドカードはバンカ(街角の新聞雑誌ショップ)やガソリンスタンドなどで簡単に買うことができる。ただし、ブラジルでは通話料金そのものが比較的高額であることや、市内通話と長距離通話では別々のキャリアとなるため、それなりに携帯電話を使う人は、月額定額制の料金プランを利用するケースが多い。また、最近は、電話を受けるにもプリペイド残高がないと受けられないため、電話をかける時には残高が減らないよう「受信人払い」のコールを利用する例が多いようだという。(尾上一平さん

ちなみに日本で最近テレビCMを放映しているソフトバンクモバイルの「プリモバイル」の場合、チャージは、「コンビニあるいはソフトバンクショップ・オンラインショップでプリペイドカードを購入する」「インターネットを利用してクレジットカード払い」「銀行ATMを利用した振り込み」の3種類で、ほぼ標準的な方法は網羅している。

日本では2005年の携帯電話不正利用防止法成立をきっかけに市場が縮小し続けていたプリペイド携帯だが、来年以降SIMロックフリー端末のが市場に出回りはじめれば、基本料金や長期契約の縛りがないプリペイドSIMへのニーズが高まり、各社から提供される可能性がある。SIMロック解除の影響は、端末選びだけでなく、料金選びの幅も広げてくれることになりそうだ。

本日公開の新コーナー「世界のモバイルライフ」では、世界各国に住む日本人の目から見た現地の携帯電話事情をTwitterのハッシュタグ"#wmlife"経由でお届けしています。
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【参照情報】
プリモバイル:通話料金の追加登録(ソフトバンクモバイル)

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