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スマートフォンのビデオカメラ機能で心拍数や呼吸数を測る技術

2011.10.20

Updated by WirelessWire News編集部 on October 20, 2011, 15:30 pm JST

有線または無線で別売の測定器を装着または接続することで心電図や血圧を測る装置としてスマートフォンを活用する技術が相次いで実用化される中、追加のハードウェアなしでスマートフォンを診療機器に変える技術も誕生している。

Hold the Phone for Vital Signs - WPI
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米マサチューセッツ州ウースター工科大学(Worcester Polytechnic Institute)生体工学部のKi Chon教授チームが開発したスマートフォン用アプリケーションは、ほとんどのスマートフォンに標準搭載されているビデオカメラ機能を使って心拍数や呼吸数など生理学データを測定し、伝送することができるという。測定精度は現在利用されている医療機器並みだというから、破壊的なイノベーションである可能性も高い。

ビデオカメラを起動し、患者は自分の指をカメラのレンズに押しつける。ライトの光が反射して指先の血管の脈動、色などの変化をカメラが動的に捕らえ、プログラムが分析する仕組み。当初はビデオ映像をサーバーにアップロードして分析していたが、今回、スマートフォン側のアプリケーションでの分析が可能になった。

心拍数のほか鼓動のリズム、呼吸、血液酸素飽和度の計測が可能。将来的には不整脈の一種である心房細動(AF)の検出もできるようになると見られている。使われたのはモトローラ(Motorola)のスマートフォンDroid。現在はIEEEに論文が発表された段階で、一般に利用可能になるにはもう少し時間がかかる見通しだ。

【参照情報】
Hold the Phone for Vital Signs<プレスリリース>
Cellphone monitors vital signs
App detects vital signs using smart phone camera
Medical monitor? There's an app for that

アップル社が同社のビデオチャット、FaceTimeがHIPAA準拠であるとの声明を出したことに関する記事はこちら

HIPAAとは2003年4月発効のアメリカの法律で、医療情報に関するプライバシー保護やセキュリティ確保を定めている。

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