中国の大手IT企業 万利達(まらた・中国語漢字:万利达)社が、Android搭載のタブレットPC「Zpad」を発表した。11月10日に南京で実施された発表会の模様をレポートする。
▼イベント会場
Zpadの前に、万利達社について簡単に紹介する。
同社は中国福建省に本社を構えるDVD、VCDなどのマルチメディア製品やディスプレイ、PCなどの開発・製造・販売などを行う大手IT企業。その従業員数はグループ全体で2万人を超えている。
万利達のブランドは中国国内ではVCDなどで有名だが、海外市場にもODMながら積極展開している。製品を提供する国は50を超え、日本にも一部ODM提供をしているとのことだ。
その万利達社が最近、タブレットPC「Zpad」を披露した。発表イベントは今回レポートする南京だけでなく、下図のとおりに幅広く行われている。
===
▼今回発表されたZpad(T2)
Zpadは10.4インチの画面でAndroid 2.2が搭載されている静電式のタブレットPC。CPUにはNvidia Tegra2,Cortex-A9デュアルコアが使われるなど現時点では高スペックの部類に入る。
WiFi、Bluetooth、GPS、CMMB(※モバイルインターネット)の機能を搭載しており、GPSやCMMBなどはモデル毎に機能搭載の有無が分かれる。
Android 2.2搭載のためFlash 10.1に対応していることも強調されており、実際にFlashコンテンツが公開されている動画サイトのデモンストレーションなどが行われていた。また、展示員によるデモンストレーションでも3Dゲームの滑らかさが強調されていたのと、大画面液晶への表示なども行われていた。
▼3Dゲームの滑らかさを強調
===
▼大画面ディスプレイとの接続デモンストレーション
Zpad(T2)の販売体制については万利達営業センターを頂点に各支社、一次代理店、直営店、ODM部隊などに分かれている。また、3G通信もサポートしており、中国聯通(チャイナ・ユニコム)のWCDMA、中国電信(チャイナ・テレコム)のEVDO、中国移動(チャイナ・モバイル)のTD-SCDMA全てに対応した端末をそれぞれの製品として発売していくとのこと。
今回の製品発表会ではWiFiモデル(3G機能未搭載)のモデルしか価格は発表されなかったが、先の高スペックにも関わらず2,999元(約38,000円)と手頃な価格であることと、万利達社自身が再三強調していた3DゲームやFlash動画などの動作が滑らかなことから一定の人気を博すことは間違いなさそうだ。
最後に万利達社副社長の陳建明(中国語漢字:陈建明)氏に海外展開について聞いたところ、中国以外では自社ブランドで出す予定はないがOEM/ODMなどでは提供していく予定で、既に米国では50万台の契約を締結したとのこと。
今後、日本でも、プライベートブランドなどで、ZpadのOEM/ODM製品を見かけることがあるかもしれない。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら