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【企業名】Ruckus Wireless, Inc.
【所在地】アメリカ カリフォルニア州 Sunnyvale
【URL】http://www.ruckuswireless.com/

2004年設立のRuckus Wirelessは、Wi-Fiのスマート・アンテナ技術の会社で、アクセスポイント(AP)のほか、WiFiの子機や、管理システムを販売している。同社のアクセスポイントの中には、小さなアンテナ素子が垂直方向と水平方向に複数並んで立っている。どうやら1パケットごとにどの素子の組み合わせから飛ばすか変えることにより、無線のビームを単純な放射状ではなく、通信相手(つまり子機)の方向に強く歪んだ形にすることができるようだ。これは複数のアンテナを使うことで利得を高めるという801.11nで使われるMIMO(Multiple Input Multiple Output)とは全く違い、ビームの形状を形づくる「ビーム・フォーミング」という技術。通信相手(子機)が複数あれば、それぞれに向かって強く吹く方向を変えることができるそうだ。

▼RuckusのZoneFlex(屋内用)と、展示用のスケルトン
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▼小型アンテナ素子が並ぶ内部
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通常、無線LANでは通信状況が悪くなると、転送速度を落とすことで、リンクが回復しないかを試みる。これは雑踏の中でひそひそ話をするようなものだそうだ。Ruckusのビーム・フォーミングは、聞き取りにくくなったら、どちらからよく聞こえるか確かめるため、いろんな方向に向かって電波を出してみる。いちばんよく聞こえる方角に子機がいると認識して、そちらに向かって強く電波を発するのだそうだ。聞き取りにくくなると、どこだどこだと大きな声で吠える犬のようなもので、それが同社のロゴに使われている犬のキャラクターの由来だとか。

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このように通信相手ごとに電波の強度の分布を変えると、例えば子機が移動して、APとの間に障害物が挟まった場合でも、もし反射波の方が強いならば、壁などにぶつけて通信することができる。放射状に四方八方に同じ強度の電波を発する場合には、間に障害物が挟まれば、電波は弱まるだけでどうしようもない。相手(子機)の場所に応じて電波の形状(ビームのフォーム)を変えることで、カバレッジが格段に広がるとのことだ。子機の側にも同じ技術を導入すればさらにカバレッジは広くなる。ブロードバンドルータが2階にあって、テレビが1階にある場合など、屋内にLANケーブルを敷設するのは大変だが、Ruckusを使えば、どこを通る反射波がいちばん強いかを判断して、そちらに向けて強く電波を送出してくれるので、IP-TVを楽しむことができる。確かにMIMOで802.11nは遠くまで届くが、RuckusのAPは802.11a/b/gでも動作するので、既存のデータカードやゲーム機などでも、新しいハードウェアなしで利用することができる。

同社のセールスの拠点はアジアでは中国、韓国などにあるようで、日本にも代理店があるそうだが、説明員は代理店名を憶えていなかった。

文・幸野百太郎(テレコム分野の仕事に従事)

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