[2011年第9週]iPad2やKDDI新スマートフォンが発表、Androidのセキュリティ対策が本格始動
2011.03.07
Updated by WirelessWire News編集部 on March 7, 2011, 10:00 am JST
2011.03.07
Updated by WirelessWire News編集部 on March 7, 2011, 10:00 am JST
3月を迎え、春商戦をにらんだ端末の発表が続いている。続々と発表・販売されるAndroid端末には、セキュリティ対策の動きも急加速している。
米国時間の3月2日、アップルのiPad2が発表された。多くのメーカーが製品を作るAndroidと違って、iPadやiPhoneは製品の数が少ない。それでも、それぞれの発表のタイミングにおける存在感と注目度は非常に高い。
アップルは米国での発表に引き続き、日本国内でも3月3日にプレス向けイベントを開催した。進行は直前に行われた米国でのイベントをビデオを上映、その実機に触る機会が設けられた。同日、ソフトバンクモバイルは、「iPad 2」のWi-FiモデルとWi-Fi+3Gモデルを3月25日に発売するとアナウンスしている(関連記事:iPad2日本発表イベントから実機を速報フォトレポート)。
KDDIはiPad2の発表に先立つ2月28日に、スマートフォン「htc EVO WiMAX ISW11HT」とタブレット端末「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」の2機種を発表した。htc EVOは3GとWiMAXの両方で通信が可能なスマートフォンで、台湾HTC製。端末をモバイルWi-Fiルーターとして使う「テザリング」も解禁し、最大8台までのWi-Fi機器を接続できる。MOTOROLA XOOMはAndroid 3.0を搭載したタブレット端末で、米モトローラ製。高速なデュアルコアチップを搭載、フルHD動画にも対応する。いずれも4月上旬以降に発売する予定である(関連記事:KDDI、テザリング可能なWiMAXスマートフォンと、Android 3.0タブレット端末を発表)。
モバイルWi-Fiルーターの国内の草分け「Pocket WiFiシリーズ」には、高速対応の新製品が登場する。イー・モバイルが3月12日に発売する「Pocket WiFi(GP01)」がそれだ。同シリーズで初めてHSPA+規格に対応し、通信速度は下り最大21Mbps、上り最大5.8Mbpsとなる。前モデルのD25HWは下り最大7.2Mbps、上り最大5.8Mbpsであり、下りの理論値が3倍に高速化した格好になる(関連記事:イー・モバイル、下り最大21Mbpsの新型「Pocket WiFi」を3月12日発売)。
Android端末の普及に従い、脅威の報告も増えている。前週にはAndroid端末をターゲットとした日本語版のマルウエアの発見も報告されている。そんな中で、対策への動きも急加速している。
シマンテックは、Android端末用のセキュリティ対策アプリ「ノートン モバイル セキュリティ」を3月18日に発売する。全国の家電量販店などで店頭販売する。価格はオープンで、想定実売価格は1年版が2980円。広がりつつあるAndroidを狙うマルウエアなどへの対策はもちろん、端末の盗難や紛失対策の機能も兼ね備えていることが大きな特徴だ(関連記事:シマンテック、Android用セキュリティアプリを3月18日から店頭販売)。
独G Data Softwareも、Android向けのマルウエア対策ソフト「G Data MobileSecurity for Android」の提供を始めとアナウンスしている。ドイツ語版と英語版は4月から、9.99ユーロで提供する予定だ。日本版は別途発表するという。ウィルス、ワーム、トロイの木馬、スパイウエアといったマルウエアへの対策に加えて、フィッシングプログラムへの防御の機能を備える(関連記事:G Data、Android向けのマルウエア対策ソフトを4月提供)
アプリ提供とは異なるアプローチもある。KDDIは、Android搭載デバイスに向けたセキュリティ管理サービスの提供に向けて、モトローラは子会社の米Three Laws of Mobility(以下、3LM)と提携した。KDDIは、3LMが開発したセキュアプラットフォームを利用して、2011年8月をメドに法人向けのセキュリティ管理サービスを試験提供する予定だ。3LMのセキュアプラットフォームは、OSレベルでのセキュリティ機能を提供するという(関連記事:KDDI、Android端末向けのセキュリティ管理サービスでモトローラ子会社と提携)。
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ソフトバンクモバイルは、2010年度に提供する事業者間の携帯電話接続料を決定したと発表した。2010年度の接続料は、2009年度比で25%以上の値下げとなる。ソフトバンクモバイルでは、接続料の対象となるコストの低減などが要因としている(関連記事:ソフトバンクモバイル、2010年度の携帯電話接続料を前年比25%以上値下げ)。
ウィルコムは、主に2003年以前に発売された一部のPHS端末などで、2012年2月29日をもって通信サービスが受けられなくなることを明らかにした。理由は、制御チャネルの周波数を2012年3月1日に移行すること。周波数の利用効率改善を目的とした電波法関連省令の改正に基づく措置だという。新制御チャネル非対応端末のユーザーは端末の交換が必要になる(関連記事:ウィルコム、制御チャネル移行に伴い、旧機種でのサービスを2012年2月末で終了)。
ソフトバンクモバイルとKDDIは、それぞれスマートフォン向けのコンテンツ代金を携帯電話の通話料金とまとめて支払えるサービスを提供すると発表した。ソフトバンクモバイルは、音楽・動画などのデジタルコンテンツやSNS・ゲームのアイテム購入などのコンテンツのまとめて支払いを提供。KDDIは、Androidマーケットにおけるアプリ購入代金をau携帯電話の通話料金とまとめて支払えるようにする(関連記事:スマートフォン向けのコンテンツ代金を携帯料金とまとめて支払い、ソフトバンクとKDDI)。
将来へ向けての施策もある。ソフトバンクモバイルは、800MHz帯および既存の2.1GHz帯を用いたLTEシステムの実験試験局の本免許を2月21日に取得した。埼玉県熊谷市で3月1日から2種類の実証実験を開始した。1つは、異なる周波数帯での電波伝搬特性や無線伝送特性を調べること。もう1つは、「複数基地局協調伝送方式」(ECO-LTE)」の基礎実験である(関連記事:ソフトバンク、3月1日から埼玉県熊谷市でLTE実証実験を開始)。
この他にもトピックがいくつかあった。面白いのは、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が発表した携帯型遠隔操作アンドロイド「エルフォイド」。ネットワークを介した人間同士のコミュニケーションに、相手の存在を感じられる対話の機能を提供する研究の一環である。今回は、人間の形を模した"アンドロイド"に携帯電話の通話機能を組み込んだプロトタイプを開発した。対話をする人にとってエルフォイドがあたかも相手の存在を感じるメディアになるという。人と人とのコミュニケーションツールとしての携帯電話の、新しい姿を提案する研究だ(関連記事:ATR、人間同士のコミュニケーションを深める"アンドロイド"のプロトタイプを開発)。
TSUTAYA GALAPAGOSは、同社の電子ブックストアサービスをシャープ製のスマートフォンに向けて提供開始した。メディアタブレット「GALAPAGOS」に加えて、シャープ製のスマートフォンで利用できるようになり、利用できるユーザーが格段に増えることになる(関連記事:TSUTAYA GALAPAGOS、シャープ製スマートフォンに電子ブックサービスを提供)。
最後にユーザーにとって嬉しいような残念なようなニュース。KDDIはスマートフォン「IS03」(シャープ製)の周辺機器として、バッテリーを単体で充電できる充電器「IS03電池充電器」を発売した。価格は2835円。持たない電池に困っている人には朗報なのだが、対症療法的に周辺機器を提供せざるを得ないスマートフォンを世に出してしまったことに問題がないのか、KDDIの見識が問われる(関連記事:IS03ユーザーに朗報、バッテリーを単体充電できる充電器が3月4日発売)。
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