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アップルが和解案を拒否、サムスンは製品投入断念の可能性も - 豪での特許訴訟

2011.10.05

Updated by WirelessWire News編集部 on October 5, 2011, 10:21 am JST

サムスン(Samsung)製のタブレット端末「Galaxy Tab 10.1」が自社の所有する特許権を侵害しているとして、アップル(Apple)がオーストラリアで同製品の販売差し止めを求めている件で、先週サムスンが提示した和解案の受け入れをアップルが拒否したことを受け、サムスン側は当該製品の同市場への投入を断念する可能性も示唆したという。

サムスンは当初、オーストラリア版「Galaxy Tab 10.1」の発売を8月末ないし9月初旬に予定していたが、アップルからの訴訟発生を受けて、この問題が解決するまで同製品の発売延期を決定。しかし、その後も解決のメドが立たず、同製品の発売はすでに3度も延期されている。

豪版Galaxy Tab 10.1の発売を目指すサムスンは先週、この訴訟の早急な解決を目指すべく、アップルに対して和解案を提示。しかし現地時間4日にシドニーの法廷で行われた審理では、アップル側の弁護士が「ここに来ているのは(Galaxy Tabの)発売を中止させ、現状を維持するため」と述べ、この和解案の受け入れを拒否したという。

これを受けて、サムスン側の弁護士は、10月半ばまでにこの争いが決着をみないようであれば、同製品の発売がクリスマス商戦に間に合う見込みはなくなると訴えた。また、同法廷での審理が長ければ来年3月までかかるとの可能性を踏まえ、そうなった場合には当該製品は完全に商機を逸することになるとも述べたという。

サムスンの「Galaxy Tab」は、タブレット端末市場で独り勝ちを続ける「iPad」に太刀打ちできる最有力候補の製品と見なされていた。同製品での特許侵害をめぐるアップルとサムスンとの訴訟は現在世界各地で続いて、来週には重要な市場である米国で、同端末をめぐる訴訟の判決が下されることになっている。

また、先ごろアマゾンが同社初のタブレット端末でAndroid OSを搭載する「Kindle Fire」を発表。199ドルという低価格などで大きな話題を呼び、11月15日の発売に向けてすでに10万件程度の予約注文が入っていると伝えられていることなどから、iPadに対抗する各社製品間のシェア争いの先行きも不透明になりつつある。

【参照情報】
Apple, Samsung Await Ruling in Australia Case - WSJ
Samsung Says It May Scrap Australia Tablet Plans If Ban Persists - Businessweek
Apple rejects Samsung offer to help end Australia dispute - Reuters
Amazon estimated with 100,000 pre-orders for Kindle Fire - Electronista
サムスン、アップルに妥協案提示 - 豪での特許訴訟、Galaxy Tab発売を優先か
「S・ジョブズ氏自らがサムスンとの衝突回避に動いていた」 - 豪法廷で明らかに
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