アップルのクックCEOが中国に - 訪問の目的をめぐって飛び交う憶測
2012.03.27
Updated by WirelessWire News編集部 on March 27, 2012, 11:02 am JST
2012.03.27
Updated by WirelessWire News編集部 on March 27, 2012, 11:02 am JST
アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)CEOが26日に中国に滞在していたことが、北京のアップルストアで同氏を目撃した一般ユーザーのブログから明らかになった。
同氏の滞在の目的は不明だが、アップルは報道に対し、「中国政府の幹部らと有意義な会合を行った。中国はわれわれにとって非常に重要な市場であり、今後さらに投資をして事業の成長を実現したい」とコメントしているという。
テクノロジー系のニュースサイトやブログなどでは、この訪問の目的について、さまざま可能性が取り沙汰されている。Apple 2.0(Fortune)では次の4つを挙げている。
このうち、チャイナ・モバイルについては、昨年6月にもCEO就任前のクック氏による本社訪問が目撃されている。中国では、長らく国内第2位の通信事業者チャイナ・ユニコム(China Unicom)が唯一の正式なiPhone取り扱い事業者であったが、今月より第3位のチャイナ・テレコム(China Telecom)でも正式にiPhoneの取り扱いを開始。さらに、第1位のチャイナ・モバイルではすでに1500万人のユーザーが変則的な形ながらiPhoneを利用しているといわれ、同社でも今後の正式な端末取り扱いを巡ってアップルと交渉中とされてきてる。
いっぽうBloombergでは、アップルストアへの投資の可能性について詳しく紹介している。アップルストアの中国一号店は2008年に開店したが、現在も店舗数は中国全体で6店にとどまり、2年前に計画された「25店舗」という目標を大きく下回っている。iPhone 4S発売初日にはアップルストアで混乱も起こっており、クックCEOは今年1月に「高まるiOS製品の需要に対応しきれていない」とコメントしていた。
この他、GigaOMでは、アップルが中国の検索エンジン百度(Baidu)をデフォルトの検索エンジンとして採用することを検討しているとの説を紹介している。
またGigaOMは、故スティーブ・ジョブスがCEO在任中には、トップの中国訪問は考えられなかったと述べ、CEO交代後の1年弱でアップルにとっての中国の重要性が急速に増したと指摘している。
昨年第4四半期時点で、アップルが中国から得た売り上げは、ヨーロッパ各国の合計売上金額の半分を上回っており、さらに今年は中国におけるiOS製品のアクティベーション数は米国を抜き、世界第一位の市場となっているという。
[Cook in Beijing. Photo via weibo.com. via Fortune
【参照情報】
・What was Apple CEO Tim Cook really doing in China? - Fortune
・What Tim Cook is doing in China - GigaOM
・Apple Plans Further Investment in China as Cook Visits - Bloomberg
・チャイナ・テレコム、iPhone 4Sを販売開始 - 予約数約20万件に
・中国での「iPad」商標権問題 - 大手銀行も介入で、泥沼化の様相
・非公式でも「iPhoneユーザー 1500万人」 - チャイナ・モバイルがアピール
・iPhone 4S、中国で発売 - 警察も出動する大騒ぎに
・中国政府高官、「4G免許の交付は2〜3年後に」 - 3G基地局拡充などを優先
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