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ノキア、1-3月期業績見通しを下方修正 - 株価下落、過去15年で最安値に

2012.04.12

Updated by WirelessWire News編集部 on April 12, 2012, 11:47 am JST

ノキア(Nokia)が2012年1-3月期の業績見通しの下方修正し、これを受けて同社株価は一時2割近く下落し、過去15年で最安値をつけたという。

1-3月期の業績について、ノキアは営業損益がこれまでの予想の「ゼロ、プラス・マイナス2%」から、マイナス3%程度に悪化するとし、この理由について主に新興市場--インドや中東・アフリカ、中国などでのSymbian端末の売れ行き不振を挙げている。これらの市場では、Android OSを搭載する低価格スマートフォンが人気を呼んでいる。

Bloombergでは、Jyske Bank A/Sアナリスト、ロバート・ヤコブセン(Robert Jakobsen)氏の話として、今回の端末・サービス部門での業績悪化が Symbian OS端末の売れ行き鈍化によるものとするいっぽう、マイクロソフト(Microsoft)のWindows PhoneOSを搭載した最新の「Lumia」シリーズに関しては、モメンタムが増してきているの見方を伝えている。

先週、米国市場で発売されたLTE対応のフラッグシップモデル「Lumia 900」は、アマゾン(Amazon)のスマートフォン売上ランキングでもトップに入っていた。ノキアでは、Lumiaに関して同四半期の販売台数が200万台以上になったとしているという。

しかし、独ウェストLB(WestLB Equity Markets)のトマス・ランガー氏は、「(ノキアにとって)2012年は失われた年になりそうで、また2013年以降や、同社の将来についても、不確実性が増してきている」とBloombergにコメントしている。

いっぽう、FTではサンフォード・バーンスタイン(Sanford C Bernstein)のアナリスト、ピエール・エラッグ(Pierre Ferragu)氏の見方を紹介しているが、同氏によると「ノキアにとってWindows Phone採用ならびにマイクロソフトとの提携は誤った判断で、消費者が求めていないOSにロックインされてしまう結果となった」という。

また、CSSインサイト(CCS Insight)アナリストのベン・ウッド(Ben Wood)氏の見方として、「アップルやサムスンを相手に回した厳しい競争を考えると、ノキアのこの下方修正は意外ではない。今年後半に状況の改善が見られないようだと、ノキアの先行きに赤信号が点ることになる」とFTは記している。

なお、米国市場に投入されたLumia 900については、ソフトウェアの不具合からインターネットに接続できないなどの報告が出されたことを受け、ノキアからは購入者に対し、端末の無償交換ならびに100ドルのクレジット提供などを行う対処策が発表されている。

ノキアは19日に1-3月期の決算発表を予定している。

【参照情報】
Warnings and glitches dent Nokia stock - FT
Nokia Cuts Forecast on Handset Competition; Shares Drop - Bloomberg
Nokia Sinks on Profit Warning - WSJ
Nokia Confirms Lumia 900 Software Glitch, Offers Fix and $100 Credit - AllThingsD
ノキア「Lumia 900」、米国で発売 - 「ちぐはぐな出だし」に

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