グーグルのストリートビュー個人情報収集問題 -「1人のエンジニアの誤り」ではない可能性も
2012.05.01
Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2012, 09:20 am JST
2012.05.01
Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2012, 09:20 am JST
グーグル(Google)がGoogleマップの「ストリートビュー」撮影時に個人情報を収集していたとして米連邦通信委員会(Federal Communications Commission : 以下、FCC)の調査を受けていた問題で、同社は先月28日、FCCによる調査報告書を公開した。
同社のストリートビュー・プロジェクトでは、Googleマップ上で近隣の写真を表示できるよう、カメラを搭載した車で街中の風景を撮影している。しかし2010年、この撮影車が位置情報の特定のために近隣のWi-Fiアクセスポイント情報を収集する際、暗号化されていない電子メールやウェブ閲覧履歴などの個人情報も一緒に収集されていたとして問題になった。
同社は同年4月の時点では問題を否定していたが、翌月5月、調査の結果、個人情報収集が行われていたことが明らかになったと述べていた。また同社はこの問題について、2006年にある1人のエンジニアが誤って書いたコードが原因であり、収集された個人情報は同社のサービスに使用されていないと説明してきた。
しかし、今回公開された報告書によると、該当のエンジニアが書いた提案書のなかには「収集されたデータはオフラインで分析され、他のサービスに活かされる」旨の記載があるという。この点についてストリートビューのプロジェクト・マネージャーは、提案書は事前に承認されており、実際には目を通していないと説明しているという。
また同報告書によると、該当のエンジニアは「20%プロジェクト」--グーグル社員は自分の仕事時間の20%を好きなプロジェクトに使えるというルールがある--の一環としてストリートビュープロジェクトに関わるにあたり、シニア・マネージャーを含む2人のエンジニアにデータ収集について伝えていたという。また、問題となっているコードは、コードのテストを実施したエンジニア5名、詳細なレビューを行ったエンジニア1名、共同でプロジェクトにあたったエンジニア1名の計7名の目に触れていたという。
なお、FCCは先月13日、グーグルによる不正行為はみられなかったとの結論を下している。グーグルは、FCCによる調査報告書の公開にあたり、報告書記載すべてに同意するわけではないが、最終的な結論には同意すると述べている。
【参照情報】
・Google Engineer Told Others of Data Scoop - Wall Street Journal(WSJ)
・Google 'aware of data scoop' - Sydney Morning Herald
・米FCC、グーグルに罰金 - 「ストリートビュー」関連の調査に「非協力的な態度」
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