携帯といえばスマフォ、通信と言えば今やWi-Fiです。
落ちぶれた大国イギリスも一応情報通信ハイウェイに乗りまくっております。しかし、この国では快電波は飛びまくりですが、ノマドワーカー向けにどこでもブンブンとWi-Fiの電波が飛んでいるなどということはございません。
理由ですか?面倒だからです。
Wi-Fi飛ばすのにはアクセスポイントを設置したりメンテしたりしなくちゃいけません。デバイスの設置には電気のコンセントも必要です。何分ここの建物は古いですから、コンセントをさしたいと思う所にコンセントはないのです。
ならコンセントを付けろ?やですよ。ドリルで穴あけないといけませんから。穴あけるの大変なんですよ。壁がレンガとかコンクリだから。レンガ職人とか電気工事職人の人件費は高いんですよ。しかも英語が良くわかんない外人だし。
一応Wi-Fiはあるんですけど、スタバなんかでこっそりやっております。派手に宣伝しないですよ。だって宣伝すると使う人が増えて面倒だから。長居するし。長居されたら儲からないんで。
オリンピック向けにはWi-Fiやホットスポットを提供しようと、イギリス人一応頑張っています。設置しないと外国の皆さんに怒られるからです。
去年の冬からオリンピックスタジアムでサービス提供に関係するベンダが「どうやってやるか」ということを議論してきました。しかし「どの帯域でやるのか」「誰が何やるか」ということで大げんかになってしまいました。関係者は「鉄板で無理」(cast iron guarantee)と言い切ってしまいました。
"Right now, cast iron guarantee it won't work... Our technical solution would have been to have sat down with the other providers and actually designed a network between ourselves so you had something that works."
地下鉄の駅ではVirgin Mediaが無償のWi-Fiの提供を開始しましたが、私はまだ使用しておりませんので何とも言えません。
このWi-Fiなぜか地下鉄構内に「こっそりと」ポスターが張ってあるだけで、新聞やテレビでちっとも宣伝も告知もありません。知らない人が多いです。
魂胆はわかっています。ユーザーが増えると面倒だからです。
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登録はこちらNTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。